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SAO─戦士達の物語
九十一話 エントリー
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てるから」
「おう、助かる」
そう言って、離れたアイリを横目に、リョウは目の前のコンソールに向き直る。

「えーと……?」
メニュー画面をスクロールしていくとすぐに、バレッド・オブ・バレッツ予選エントリーのロゴを見つける。タッチ。すると即座に、各種入力事項の画面に移行した。

「えー、名前……職業…………職業だぁ?」
はて、GGOに職業《ジョブ》性は無かった筈ではなかったか?確かに戦闘スタイルによって狙撃手《スナイパー》や運び屋(キャリー)等と言った呼称が有るなどと言うような事はwi●iで見たが……

「って……リアかよ……」
驚いた所で、ようやく一番上にある表示が目に付いた。曰く【以下のフォームには、現実世界におけるプレイヤー本人の氏名や住所などを入力してください。空欄や虚偽データでもイベントへの参加は可能ですが、上位入賞プライズを受け取ることはできません】だそうだ。

「む、ぅ……」
一瞬だけゲーマーとしての心がリョウの内心を揺らがせた。此処で入力したい。何しろそう言ったイベントで上位に入賞してもらえるものと言えば、それこそ優勝でもしようものならゲーム内では基本手に入らない超レア装備だったりする訳だ。だが……

「否……!」
ここはぐっとこらえる。どちらにせよこの調査が終われば自分はこのゲームからまた再コンバートするのだ。もらっても意味が無いと言う物だろう。

「っつーか、これ、誰か後ろから見てたりしたらバレバレじゃねぇ?」
まぁ流石に真後ろに誰か経っていたら丸わかりだし、だからと言って望遠鏡やらなんやら使ったらそれこそアカBAN物なのでそれは無いだろうが……

と、そうおもった。直後

「ったく……っ……!」
何となく周りに気を増した直後に、リョウはうなじが電撃で刺激されるような感覚を覚え、身を固くした。

『こりゃあ……見られてんのか……?何処から……?俺を……?それとも……』
思いながら、それはあり得ない筈だと思い直す。何故ならある一定以上の距離からこのコンソールは見えないようになっている筈だし、さっきも言ったが街中で……ましてこんな場所で望遠鏡など使おうものなら間違いなく誰かに見つかり、マナー云々の問題もあってアカウントをそれこそ消されかねないからだ。だが……

『なんだ、なんだよ、何なんですかってんだ、ったく……』
矢張り、此方を見ている気配と言うか……そんな何かを、リョウの勘が告げている。控えめだが……確かに此方を見ている……気がする……

『……』

スキル、《聞き耳》起動。

街中でこれを使うのはマナー違反であり不本意だが仕方ない……
一気に範囲を広げ、ホール全体の音が轟音となってリョウの聴覚を揺らす……

『くそ……』
しかし、余りにも周囲にある音が多す
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