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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第194話 ただ1つの選択
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、シノンの肩を強く揺さぶった。まだまだ、直線状に伸びるメインストリート。障害物が無いのも幸いした。……だが、それは相手も同じ事だ。
「い、いぁぁっ! りゅうっ、りゅうきっ……、は、はや………とぉっ……!」
「!?」
この時、混乱しているシノンが口にした名前。凄まじい速度で走行している為、風切り音、エンジン音がけたましく、聴きにくかったが、彼女が言っている言葉の中に、『はやと』と言う名前……?がある事にキリトは感じた。
「わ、わたしのせいでっ……! い、いやぁぁぁぁっ!!」
まるで、幼い子供の様に頭を抱えながら泣き叫ぶシノン。キリトの中にあった疑問は一気に消し飛んだ。今は考える事よりも、彼女のことが優先すべきことだからだ。
「落ち着くんだ、シノン! アイツは死なない、絶対に、絶対に死なないっ!!」
キリトは力の限り、叫んだ。背後に迫る死銃を見て、シノンは思ってしまったのだろう。
――リュウキを殺し、そして自分達を追いかけてきたんだと。
だが、それは絶対に無い、とキリトは判っていた。……万が一にでも無い、と。
「アイツが強い事は、オレ達が一番よく知ってるだろっ!! あんな奴らに、殺られる訳無いだろっ!」
「っ……」
キリトの叫びを聴いて、シノンは……少しだけ、詩乃の前にシノンが出てくる事が出来た。
そしてキリトは、撃てないシノンの代わりに、先ほどの戦い。《銃士X》との戦いで拝借した、煙幕爆弾とは別のもう1つの武器、手榴弾のピンを引き抜いた。5秒で爆発する事は、事前に聞いてある(武器解説はリュウキ)。走りながらも、頭の中でカウントさせ、……そして。
「ふんっ!!」
迫り来る死銃目掛けて投擲。
ロボット・ホースの踏破力は、確かに凄まじいモノであり障害物もまるで問題なく直線距離ではバギーの方が早いが、障害物の多いこのメインストリートでは、バギーよりも早いだろう。それが証拠に、距離をどんどん詰めてきているからだ。
――……このまま、追いつかれる訳にはいかない。
リュウキの言葉の中に、『シノンが死銃の標的』だという事があったからだ。
キリトが見たのは、死銃に撃たれるリュウキと地に伏しているシノン。死銃を知っている身とすれば、死銃がリュウキを狙ったのか? とも思えたが、シノンがあのスタン弾を前に倒れている事もあった。狙っているのは、あの死銃が狙っているのは、シノン。……そして、命を奪う事が出来る一撃を放てるのはシノンだけなのだ。
「くそっ……!!」
爆発の寸前で、あのロボット・ホースを巧みに操り、回避したのを見てキリトは歯ぎしりをした。多少は、速度を落とす事が出来た様だが、このままでは追いつかれる。
怯えているシノン
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