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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第193話 温かい背中
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 死神は、そう言うと表情を歪ませながら、光も共に歪んでいく。姿が消えていくのだ。

「っ!」

 リュウキは、姿を消していく相手をみて、銃弾を数発見舞った。だが、それは回避した様で、手応えがまるでなかった。

『正直、侮りすぎたのは事実だ。……中々に手に余る』

 ククク、と笑い声と共に、あの男の声が場に反響する。

『まずは、お前の心に死を齎そう。……あの女を始末し、苦しむお前を楽しもう。……そして、アイツが黒の剣士を消し、オレとアイツの2人掛りで、ゆっくりと料理してやろう』

 嘲笑うかの様に笑い声がこだまする。

「……偉そうに言っていた割に、もう諦めたのか? 死神死神とほざいておいて、情けない奴だな」

 リュウキも、そう反論をしていた。戦る前に、この男は散々言っていた筈だ。なのに、手のひらを返した様に、逃げる様に消えていったのだ。いや、逃げ以外の何でもないだろう。

『そう言われてもイイさ。……だが、死神は全て合理的に判断する。過程よりも結果を求める。それに、ただ闇雲に攻めるのは3流だと思うが?』

 そう言うと同時に、声が小さくなっていく。

「見えない鎌とやらを持っているクセに、……怖くて逃げ出すのか?」

 リュウキはそう答えた。
 この男が自分に完璧に一撃を加えたのはあの攻撃だけだ。その見切れていない業を持っているのにも関わらず逃げの一手をする死神に、呆れた様にリュウキは言った。

『切り札は、取っておくさぁ……。最も、斬れる時に……な』

 その声の次の瞬間だ。からん……と、何かが落ちた様な音が響き、そして 場に閃光が迸った。

「ちっ……、何度も姑息な手を」

 リュウキは、何が来たのかを理解していた為、破裂寸前にそれを直視しない様に、大きく回避していた。視界不良のシステム的状態異常は回避する事が出来たが、あの死神の姿は文字通り全く見えなくなってしまっていた。





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