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ソードアート・オンライン〜Another story〜
GGO編
第193話 温かい背中
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「……動けるか?」
地面にゆっくりと寝かせつつ、銃を構える。
シノンは、その言葉を理解するのにも時間がかかった。失われた全身の感覚が完全に戻るのには時間がかかる。
その間にも、マシンガンの銃声がばら蒔かれていた。
「ち、
あいつ
(
・・・
)
も来たか」
ビル壁を背にしていたその時、シノンの眼に飛び込んできた。彼の右胸に赤い円が刻まれているのを。あの銃に撃たれたと言う事実を。
「っ……、あ、あんた、そ、それ……っ」
シノンは身体を震わせた。
彼は……自らを守って、動けない自分を守って撃たれたのだ。それが、
何を
(
・・
)
意味するのかを、全部理解した上で。
吹き飛ばされた死銃と、そしてもう1人がこの場に現れていた。
「……まさか、こんな早く追いつかれるとは思っちゃいなかった。……再会が早い」
死銃
(
デスガン
)
のもう1人は、ぼろマントの男に手を貸しながら、立たせた。
「鬼、め……」
ギリっ、と歯を食いしばる。
致命的なミスを犯してしまった事に、彼等は気づいた様だ。
あの銃
(
・・・
)
で、あの男を。……リュウキを撃ってしまったと言う事だ。
シノンの言葉を聞いたリュウキは、ゆっくりと視線を右胸部分に向けた。
確かに、撃たれている。距離は殆どゼロ距離だった事と胴体部分に命中した為、幾らあの銃でも、それなりにHPは下がるが、所詮は
拳銃
(
ハンドガン
)
。対した事ではない。
「大丈夫だ。……気にするな」
リュウキは、軽く右胸部分を払う様にすると、再び身構えた。
「そん、な……で、でも……」
シノンは気が気じゃなかった。それも、当然だろう、自分の過去、悪夢の過去から時間を遡って来た弾丸、凶弾が彼を襲ったのだ。
自分に当たる筈の凶弾を、彼が受け止めてくれたのだ。
それを目の当たりにしてしまって……新たな罪を感じてしまう。
「大丈夫、だ」
リュウキは、そんな彼女を見て、察した。
当時は、彼女が……シノンが撃たれる事を阻止する事しか考えていなかった為、気づいていなかったが、シノンが尋常じゃない程震えている事に、今は気づいている。抱き抱えた際にも、身体に伝わっていた。それは、決してスタン弾で撃たれた影響じゃないだろう。何時もの彼女であれば、気丈に、そして何よりも冷静に反撃する筈だった。
それをする事が出来なかったのは……、恐らく《あの男》に理由があるだろう。
リュウキはまだ、震えているシノンの頭を軽く一撫ですると、死銃の、そしてもう1人現れたあいつの方を視た。
あいつが持つ銃は、
短機関銃
(
サブマシンガン
)
は、《スオミ KP/-3
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