妖精の法律
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さなくても聞こえてるってぇの」
ラクサスはそういうとゆっくりと立ち上がる。それを見たノーランは思わず笑みを浮かべる。
「そうこないとな。あの程度で倒されているようじゃ仲間や家族のためなんて言ってられないもんな」
「あぁ・・・そういうこった」
再び睨み合う2人。そんな中不意にノーランがある質問を投げ掛ける。
「お前は『家族の敵は俺が潰す』とかさっき言ってたな。なぜそこまで仲間に固執する?」
ノーランのその質問を受けたラクサスはフッと鼻で笑う。
「なんで・・・か。そんなの簡単だろ」
「?」
「俺は妖精の尻尾が好きだからだよ」
ラクサスは迷いのない真っ直ぐな視線でそういう。
「俺は7年前、自分の勝手な考えでギルドを強くするために仲間をキズつけた。それは本来なら許されるようなことじゃねぇ・・・
だけど妖精の尻尾はそんな俺を受け入れて、ましてや今、ギルドの代表として戦わせてくれている」
7年前の784年、まだシリルとウェンディがナツたちと出会う前、ラクサスはB・O・Fと称し仲間同士で争わせ、マグノリアの住民たちまでも巻き込もうとした。しかしそれはナツやガジルを中心としたギルドメンバーたちに阻止され、その後マカロフから妖精の尻尾を破門された過去を持つ。
そして今から3ヶ月前、天狼島でハデスを倒すことに協力したことなどから当時のマスターだったギルダーツの計らいによりギルドに復帰することになり、妖精の尻尾Bチームとして大魔闘演舞に参加しているのだ。
「俺はあいつらに感謝してもしきれねぇ・・・なのにまだ何も返せてねぇ。だから!!俺は仲間を陥れようとする奴は必ず潰す!!この手でだ!!」
ラクサスは力強く握り締めた拳をノーランに向ける。
「例えお前がカミューニと同じ最強の三人衆だとしても、俺は絶対退かねぇぞ」
「面白い!!だったらその想いの力で俺を降してみるがいい!!」
距離をおいていた2人が地面を蹴り、相手に向かってパンチを繰り出す。その拳は衝突し、ドムス・フラウ全体を揺るがす。
『な・・・なんでしょうか!?今の衝撃は!!』
『まるで何かがぶつかったような震動だったね』
『しかし、特にこれといった異変はないようですが・・・』
ラクサスとノーランの耳に聞こえてくる実況の声。彼らには今戦っているラクサスたちの姿は見えておらず、アレクセイの怒濤の攻撃に防戦一方のラクサスの姿しか見えていないため、なぜドムス・フラウが揺れたのかわからないのだ。
しかし、2人はそんな声など気にすることなく互いに格闘技を仕掛け合う。
ノーランがラクサスの顔に蹴りを入れよう
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