妖精の法律
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クセイの戦いを見ようとするとナツさんが横から突然現れてそう言う。
「何かって?」
「何か聞こえました?」
「いや・・・」
「私も何も・・・」
ルーシィさん、ウェンディ、グレイさん、エルザさんがそう言う。4人にはどうやら何も聞こえてないみたい。俺も微かにしか聞こえなかったから自信がないけど、何かが闘技場の壁にぶつかったような音が聞こえた気がする。
「今のはラクサスだ!!ラクサスが戦ってる音だ!!」
ナツさんは今にも待機場所にある岩の柵を飛び越えてしまうんじゃないかというぐらいに身を乗り出す。その可能性もないことはないけど・・・
「幻が見えている今、ラクサスが戦っている音が聞こえることはないと思うのだが・・・」
「なんか聞き間違いなんじゃねぇか?」
エルザさんとグレイさんがナツさんにそう言う。2人の言う通りこの状況では本物のラクサスさんの戦っている音は聞こえるはずがない。
「いーや聞こえた!!シリル!!お前も何か聞こえたんだろ?」
「そんな気がしますけど・・・」
それでもナツさんは自分の聞いた音を信じて疑わない。するとナツさんは大きく空気を吸い込む。
「ラクサスぅ!!そんな奴に負けんじゃねぇ!!」
ナツさんは会場中が震えるほどの大声でそう叫ぶ。近くにいた俺たちはあまりの大音量に思わず耳がキーンっまなる。
「いきなり叫ぶなクソ炎!!つーかあのラクサスは幻だってさっきシリルが言ってただろうが!!」
グレイさんはナツさんに向かってそう怒鳴る。
「んだとこの野郎!!そんなの関係ねぇんだよ!!あれが幻であっても本物のラクサスも見えない中で戦ってんだ!!だったらそれを全力で応援するってのが仲間だろうが!!」
正しいようなムチャクチャなようなことをいうナツさん。でもそれもそうだよな・・・幻の中でラクサスがどんな戦いしてるのかはよくわからないけど、妖精の尻尾の仲間だったらそんなこと関係なく応援するのが筋ってものだろ!!
「ラクサスさ〜ん!!頑張れぇ!!」
「いけぇ!!ラクサス!!」
俺とナツさんはとにかく叫び続ける。それが本物のラクサスさんに届いているかはわからないけど、ラクサスさんなら絶対応えてくれると信じて・・・
第三者side
「ったく・・・いちいちうるせぇ奴らだな」
闘技場の壁にぶつかり、全身に大きなダメージを受けたはずのラクサスはなぜか頬を緩めている。理由は観客席から聞こえてくる女のような甲高い声と少し雑音混じりの男の声。
その声の主の2人には今のラクサスの姿は見えていないはずなのに、まるで本当は見えているかのように声援を送っている。
「っんなに大声出
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