ヘタレ勇者とヤンデレ僧侶の大冒険
[3/4]
[1]次 [9]前 最後 最初
白い目で見ていると
「勇者様。どうかお気をつけて下さいね?貴方に何かありましたらわたくし・・・」
お姫様が俺の両手を握りしめ、上目使いに労ってくれる。
そう!それだよ。勇者はこうやって敬われるように旅立たないとだよな?
ズガアアァァァァァン!!!
凄まじい衝撃が後頭部を襲った。しまった・・・シズクはそういう女だった。
薄れゆく意識の中で最後に見た光景は、幼馴染みが悪魔のような冷たい瞳で、俺を見下ろしている姿だった。
――――――――――――――――――――
――――――――――――――
――――――――
ハッ!ここは?
気が付くと白い天井が視界に入る。
「大丈夫ぅ?」
シズクが俺の顔を心配そうに覗き込んでくる。
彼女の髪が垂れ下がり、俺の頬に触れると、甘い香りが漂ってくる。
ここは天国なのか?
「ツッ!」
起き上がると鈍い痛みが頭の辺りに広がる。
「ここは?」
「教会だよ?あぁ、勇者マコトよ。死んでしまうとは何事です。って、なんか声が聞こえてきたよ?」
「え?俺死んだの?全然記憶にないけど・・・」
何故かシズクは目を反らし、ソワソワしながら
「ショックを受けると、前後の記憶が混濁するものねぇ〜ハ、ハハハ」
乾いた笑いを見せる彼女だった。
まぁ気を取り直して先に進みましょう?彼女の言葉に釈然としないものを感じつつ、俺達は先を行く事にした。
「先ずは武器屋に行こうぜ!やっぱり武器が必要だろ。」
俺達は城下町の武器屋を目指し歩く。
「いらっしゃいませぇ。」
若い女の子の店員が一斉に声をあげる。長い旅を続けていけば、避けられないのは魔物との戦闘だ。人の生活圏を離れる程に、まだ見たこともない敵に遭遇することもあるはずだ。俺は親父のように強く、世界中の人類の希望にならなければならないんだ。やはり装備は必要だろう。
俺は店の中で一番強い武器、はがねの剣を取りレジへ向かう。
「ありがとうございます。2000Gです。」
店員の眩しい笑顔がたまらない。俺がポケットの中の財布からお金を・・・
「あれ?なんで40Gしかないんだ?」
「だって、さっきマコトさん死んだじゃないですか。だから死んだときに半分神様に取られて、さらに生き返らせるのに10Gで、残りがそれよ?」
隣で艶やかな皮のドレスを身に纏ったシズクが言った。
「おい雫・・・」
「な、何ですか?」
もう良いです・・・
結局俺はこん棒1本買いお金が尽きたところで店を出る。
それにしても王様・・・旅立つ勇者に100Gとかイケずにもほどがあるだろう・・・
次に俺達はルイーダの酒場を目指す事にした。
シズクは二人で良いじゃないってごねるが、勇者と僧侶だけではこの先必ず厳しくなる。やは
[1]次 [9]前 最後 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ