ヘタレ勇者とヤンデレ僧侶の大冒険
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らしている、自分で言うのもなんだけど、一見何処にでもいるような男だ。
俺の親父はこの国で一番強い兵士だった。親父は数年前に突如現れた魔王を倒すために旅に出た。
あらゆる国を渡り、ついに魔王と対峙するが、戦闘の最中に崖から転落し、死んでしまった。
その最強の親父の血を引く俺は、いつしか次の勇者として国中の期待を集めていた。
全く迷惑なことだ。
「じゃあ母さん。行ってくるから。」
「マコト。あんた幼馴染みのシズクちゃんには、ちゃんと旅に出ること言ってあるの?」
「いやまだだ。でも、王様との謁見が終わって旅に出る直前に会いに行くよ。」
「そう?じゃあマコト・・・頑張ってね。」
「ああ、行ってきます。」
路地裏を抜け、街の人々が集まる市場を越えると丘が見える。丘の上には大きなお城がある。アリアハン城だ。
まだ幼かった頃、よくこの路地裏から見えるお城を、幼馴染みのシズクと眺めていたものだ。
「まさか、こんな形で夢が叶うなんてな・・・」
「本当よね。私もビックリよ。」
は?俺は突如声が聞こえてきた左側を見ると
サラサラと音がしそうな背まで伸びた輝くような黒髪。ほんのりピンク色に染めた頬が際立つような白い肌。何処かの貴族の娘と言っても信じそうな柔らかい物腰。そして何よりも、教会にある聖書に出てくる女神ルビス様と瓜二つな容姿をしている。強いて違うと言えば、ルビス様は金髪なのに対してシズクは黒髪だという事だろうか。
「って、シズク!!!何処から現れた!?」
「何処からって・・・お家からですよ?」
顔をちょこんと傾ける彼女。
か・可愛い・・・
「じゃなくて!なんでお前がここにいるんだって聞いてんのぉ!」
「そ、それは・・・だってぇ・・・」
よく見ればシズクは僧侶の衣に身を包んでいる。こいつついてくる気満々だな。
「なぁシズク・・・この旅は旅行じゃないんだぜ?魔王の討伐だ。戦いは男の役目なんだ。女の子がするものじゃない!!」
マコト Lv 1
シズク Lv15
「「・・・」」
「あの・・・マコトさん気を落とさないで?」
幼馴染みの優しい一言にダメージを喰らいました。
「もう・・・機嫌直してくださいよぉ。」
良いんです。どうせ俺は名ばかりの勇者ですから。そんなやり取りをしながら王室に通された俺達を王様とお姫様が迎えてくれる。
「おお!!そなたが勇者マコトかぁ!お父上に似て真の強そうな瞳じゃあ。」
王様は両手を握り、歓迎の意を表して抱き締めてくる。
「おい!ちょっと待て。どう見たって僧侶の衣着てるだろうが!」
シズクに抱き付く王様を引き剥がす。
「チッ」
この王様、舌打ちしやがったな。
俺が王様を
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