月下に咲く薔薇 4.
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吸を2人の間には感じてしまう。
実際、ミシェルは大した器だった。これで高校生というのだから、頼もしくもあり、一方では末恐ろしくもある。
「おーい!!」声を上げながらクランが窓越しに両手を大きく振ると、気づいたファのメタスが明色の右手をすっと挙げた。
通常、パトロール隊は5機で編成される。今回もその例に漏れず、このバトルキャンプの主であるタケル達クラッシャー隊の戦闘機コスモクラッシャーを筆頭に、桂のオーガス、カミーユのZガンダム、ファのメタス、そしてジェットスクランダーを装備したマジンガーZが加わっていた。
今朝は、龍牙島に帰らずバトルキャンプに拠点を移した最初の朝だ。三大国家受けの悪いガンダム顔の機体やゲッターロボ、ダンクーガノヴァは構成から外すのもやむなしといったところか。元々国連の旗を掲げている戦闘機を指揮官機に据え、機体サイズも様々な4機を率いらせているところは、様子見から始めたいスメラギ達指揮官の思考が反映された結果と思われる。
さて。バトルキャンプに移動したZEXISに注視する何者かの動きがあるか否か。早ければ1日2日で、その辺りのところが明らになる。
「慎重だな、スメラギさん達は。こういう気配りの光景に、どれだけの組織が熱視線を送ってるんだか」
「シンフォニーを含めて、だろ?」
語気に力の入るロックオンに、クロウは、肝心なものを足すつもりで言葉を添える。
「そういう事だ」
5機が、各機のスタイルで離陸を始めた。窓外の音量が一気に増し、轟音を残したかと思うと機体は既に空で、その機影が急速に小さくなり始める。
コスモクラッシャーは崖面に作られた離着陸口ではなく、岬の上面に用意された2本の滑走路を使用して飛び立った。聞いたところによると、長官の大塚が既存の離着陸口の拡張に乗り出したとかで、当面は外来機と同じ上面滑走路の使用を余儀なくされるのだという。
拡張が他のZEXIS機の為と考えれば、生まれかけた疑問は臓腑にまですんなり落ちる。それは、何が起きようともZEXISとエルガン代表と共にあろうとする大塚の決意の現れだった。
過去のソレスタルビーイングと黒の騎士団、ヒイロ達コロニーの工作員達の働きを自ら評価し、一度は地球圏の脅威と認定された者達の本格的な拠点を彼の人物は作ろうとしているのだ。勿論、ソレスタルビーイングや黒の騎士団の今後の行動次第で、彼らへの加担と解釈される行為は後々大塚の首を締める事になりかねない。
それでも信じと決めたのだろう。今、ゼロの中で荒れ狂っている嵐の原因が自分の中にあるものと大差はない筈だ、と考え。
クロウ達も信じている。ゼロは、黒の騎士団は、惨禍の痛手から必ずや立ち直って皆の前に現れる。その為に少しだけ背を押してやれたらと思い、谷川達も助っ人もこの会議室に集まっている。
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