第6章 流されて異界
第125話 名門の名門足る所以
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つつある可能性は否定出来ないけど、おそらくそれほど深刻な状況ではない、もしくは弓月家、それに高坂家ともに大きな危機感は持って居ないのではないか、と考えたのですが……。
但し、こうやって土地神の召喚に失敗した以上、高坂家に関わる事件かどうかは定かではないが、それでも何らかの土地神を封印出来る存在が絡んでいる事件が進行中なのは間違いなさそうな雰囲気。
それで、次に弓月さんが登場した時には、現在の衣装。巫女さんのコスプレ……と言うには妙に似合い過ぎている姿形で登場した、と言う事なのですが……。
一応、俺に問われた問い、なのですが、この場には俺よりも答えるのに相応しい弓月さんが居る。そう考え、一度、彼女に視線を送る俺。それに俺の持って居る答えが正解とは限らない。もしかすると、その俺が持って居る一般的な答え以外に、何か裏の意味が存在するかも知れませんから。
もっとも、そんな裏の事情などを簡単に明かしてくれるとも思えないのですが。
しかし、俺の視線に対して僅かに首を横に振る弓月さん。これは否定。彼女の口から真実を語る事は許されていないのか……。
ただ、大女将が首肯いた時から彼女が浮かべている、少し困ったような笑みが、彼女が追い詰められている状況を現しているような気もするのですが。
もしかすると今、俺が、自分自身の置かれている立場を理解しているのか、……と言う事を試されている可能性も否定出来ないのですが、ただ、ここで真面目に答えて置かないと、その後にハルヒに対して、夜の間は部屋に籠ってじっとして居ろ、と言う命令を真面に聞いて貰えない可能性があるので……。
自分の立場とハルヒの身の安全。こんな分かり切った二択を一瞬の内に判断する。
そして、
「昼の間に話をした、古来より魔法に関わって来た名門の話は覚えて居るか?」
……と逆に問い掛ける俺。
「日本の術者が一部の名門によって支配されている、と言う程度の事ならね」
訝しげな表情。おそらく、其処に何の関係があるのか分からないながらも、一応、問われた事に関して素直に答えを返してくれるハルヒ。
「ならもうひとつ。何故、名門に術者の才能を持った子供たちが産まれ続けるんや?」
百人に一人程度の才能なら何とかなるかも知れない。しかし名門の一族が求めているのは千人、万人に一人の才能。これを千年単位で排出し続けて来たのが今の日本の魔的な側面を支配している連中と言う事。
「それは遺伝的な物か、血統による物なんじゃないの?」
至極真っ当な答えを返して来るハルヒ。まぁ、俺もこの答えを予想して質問したので、問題はない。……と言うか、
「その程度の理由なら、俺たちのような一般人の家系から能力者が誕生する確率と大きく変わる事はないな」
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