第6章 流されて異界
第125話 名門の名門足る所以
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ハルケギニアで相対した連中は大抵がそう言う連中だったから……。
ハルヒは何も答えない。但し、止めろとも言わない。ならば――
「弓月さん。貴女が能力に目覚めた理由を教えてくれるかな」
それまでの話の内容とは違う、意味不明の問い掛けを行う俺。但し、日本の裏の世界を支配し続けて来た名門が何を行って、自らの権勢を維持し続けて来たのかを彼女は知っている可能性が高いので……。
「私は幼い頃から多少の能力は示して居ました。でも今の能力に完全に目覚めたと言えるのは……」
高校に入学する直前。ちょうど貴方や長門さんが化け物と戦って居る夢を見た後です。
俺の予想通りの答えを返してくれる弓月さん。矢張り、あのガシャ髑髏との遭遇の際に受けた魂魄への傷が、彼女の能力の発現を促したと言う訳か。
もっとも、それが良い事なのか、それとも悪い事なのかは分かりませんが。
「俺が能力に目覚めたのは三年前――」
家族が殺され、俺自身も瀕死の重傷を負って以後、能力に目覚めた。
弓月さんの答えに対して軽く首肯きながら、俺の場合の説明も行う。
しかし、
「で、それが何だって言うのよ?」
しかし、矢張り要領を得ない雰囲気のハルヒ。胸の前で腕を組み、挑むような視線で俺を睨み付ける姿も既に見慣れたもの。
そして、
「あんたの場合は何となく分かるわよ。もしかして夢の中でピンチに陥ったから桜に能力が現われたって言うの?」
その程度の事で魔法が使えるようになるのなら、世界中で夢を見る人間全員が魔法を使えるようになるでしょうが。
非常に筋の通った疑問を口にするハルヒ。ただ、普通の場合は不思議な事に対しては常に肯定的な意見や態度で臨むのに、何故か俺が相手の時は常に否定する側に立って居るような気がするのですが……。
まぁ、俺の言う事は素直に全部否定されているので、超常現象に限ってだけ肯定するのもアレだから、程度の理由でしょうが。
少し不満に感じながらも、ハルヒの精神が安定した一般人の部分で留まって居る事に安堵する俺。この状態ならば、妙な異界化現象のコアに成る事もなければ、世界を無理矢理に……自分の都合の良いように改変して仕舞う事もないと思いますから。
「夢の世界での出来事を否定するのか、他ならぬハルヒ、お前自身が」
何にしても、この程度の一般人が出して来られる程度の常識など即座にひっくり返す事が出来る。
「やれやれ。こんな事なら五月……。ゴールデンウィーク明けのあの夜に助けに行くんやなかったかな」
もし俺が行かなかったら、お前に次の日の朝は来なかったって言うのに。
肩を竦め、軽く上空を仰ぎ見る俺。もっとも、現実にハルヒを夢の世界に助けに行ったのは俺ではなく――
そう考え
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