暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
103話:機動六課防衛戦線(前編)
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、ことごとく命中する。
 分身体が傷ついたのを感づいた他の分身体や一体だけ存在する本体は、何事かと手を止め足を止め、弾丸を撃った張本人を見つけ出す。

 突き出した胸部、黒と白とシアンで彩られたボディー、何枚もの板が突き刺さったような仮面。
 極め付けに銃身が長方形のような形をしている、特殊な銃。


「―――ここにいたか、偽善者」
「また会ったな…ディエンド」


 先日士が敗北の苦汁を飲まされた相手が、灰色のオーロラを背に銃を構え立っていた。
 ディエンドは(ガタキリバ)の視線がこちらに向いたことに気づくと、不機嫌そうな声で毒を吐き、一方士は先日の敗北を気にしてか、小さく呟いて仮面の下で苦い表情を浮かべた。


「兄様、なんでここに…?」
「本部の方へ行っていたのでは…?」
「ウーノからアイツがここにいるって聞いて。…というか、“兄様”は止めろと言ってるだろ、“エクストラ”と呼べと何度言えば……」


 いきなり現れたディエンドに、オットーとディードが驚く。対してディエンドは頭を抱えて「はぁ〜」と深くため息をついた。


「とにかく、下がってろ。これはアイツと僕との勝負だ」
「「………(コクッ)」」


 ディエンド―――エクストラの指示に、オットーとディードの二人は静かに頷いた。
 それを確認したエクストラはゆっくりと前へ出る。正面には、数人のガタキリバが立ち並び、ディエンドを待ち構えていた。


「…随分と気に入られてるみたいだな、“兄様”」
「……黙れ」
「おぉ、こわッ…!」


 士のふざけた物言いに、エクストラは銃口を向ける。
 対し士は両手を上げる素振りを見せる。その態度がふざけているものだと判断したエクストラは、腰に付けられたカードケースから一枚のカードを取り出し、ベルト上部の隙間に滑り込ませた。


〈 WEPON RIDE・KAIXA ――― KAIXA BLAGUN 〉


 音声と共にカードは光に包まれて、銃を持たない左手に収まる。そして徐々に形を成していき、遂には光がガラスのように割れた。
 エクストラの左手には、『X』を模した黄色と黒で彩られた、剣・銃一体型のマルチウェポン―――“カイザブレイガン”が握られていた。


「さぁ行くぞ。今度はこの間みたいに、生温い攻撃はしないからな」
「覚悟しろ…ってか? 勘弁してくれよ…」


 士がそう言い返した矢先、エクストラは目の前のガタキリバ・分身体に向かって走り出した。
 迎え撃つ士も、両腕に付いた双剣を構える。

 ディケイドとディエンド。相容れない二つの“D”が、再び激突する。





 
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