暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
103話:機動六課防衛戦線(前編)
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共に、彼を中心に緑色の波動が空気を揺らす。それにあおられた三人は、目を閉じ顔を腕で庇う。
 それが治まると、震える腕を抑え前を見るオットーとディード。しかし、本人たちは自分の身体が震えていることに気がついていない。それほどに目の前に立つ異形が、強烈な威圧感を放っていたのだ。


「……いくぞ」


 その一言で、我を取り戻す二人。すぐさま構え、迎撃態勢を取るが……次の瞬間、目の前の光景に驚愕していた。
 なんと、目の前に立っていた異形と同じ姿をした者が、彼の隣や後ろに数人現れたのだ。いやそれだけでは収まらず、一人、また一人と増えていき―――

 最終的には、五十人もの人型の異形が、その場に現れたのだ。
 これがガタキリバコンボにのみ与えられた固有能力―――最大五十体まで作り出すことができる“分身生成”である。


「「「「「―――GO!」」」」」

「「「「「ハッ!」」」」」
「「「「「ハァア!」」」」」
「「「「「トゥ!」」」」」
「「「「「セイッ!」」」」」
「「「「「フン!」」」」」


 浮世離れした光景に、思わず目を丸くする二人。しかし彼は待ってはくれなかった。
 集団の中の数人が掛け声を出すと同時に、五十人の異形は一斉に動き出す。

 ある者達はガジェットを蹴り飛ばし、ある者達は切り伏せ、ある者達は飛び回る機体を跳ねながら斬りつけ、ある者達は電撃を放ちショートさせる。
 そして残った数体は勿論、オットーとディードと戦うべく走りだしていた。


「クッ…!」
「なんて無茶苦茶な…!?」


 口ではそう言いつつも、ディードは双剣で、オットーはガジェット達を引きつれ迎え撃つ。

 ディードに対しては分身体が一体向かい合い、それぞれの得物を打ち合う。
 自身のエネルギーを使用し実体化させた双剣を振るい、ガタキリバ・分身体へ連続で切りかかる。が、その全ての攻撃が見えている分身体は、軽々と回避し逆に切りかかる。

 それぞれの得物同士がこすれ合い、激しい火花が散る。こうして見ると、実力は拮抗しているように見える。
 だが、実際にはディードの方が不利な状況だ。

 理由は二つ。


「はっ! でやぁ!」
「ッ、ク…ッ!?」


 一つは、体格と力という面において士の方が上回っているからだ。
 いくら機械の身体である戦闘機人とはいえ、変身した士の―――更に言えば、コンボの一つであるガタキリバのパワーは、彼女のそれを裕に超えるのだ。

 よって今のように、力負けして不用意な一撃をもらってしまうことになる。
 だが彼女もこのまま押し切られるつもりはない。先程と同じように瞬間加速で士の背後に回り、双剣の一撃を仕掛ける。

 ―――が、


「ハァアッ!
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