暁 〜小説投稿サイト〜
魔法少女リリカルなのは 〜優しき仮面をつけし破壊者〜
StrikerS編
103話:機動六課防衛戦線(前編)
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自分の心にそう言い聞かせながら、二人は全力で駆けた。
























 改良されたT型から、質量兵器ともとれるミサイルが放たれる。狙いは勿論、六課隊舎。
 しかしそれらが建物へ命中する前に、マゼンタ色の弾丸によって破壊される。その弾丸を発射したのは勿論、ライダーへ―――ディケイドへ変身した士だ。

 銃を構えていた士、そこへ迫る改良前T型&V型。スカリエッティに作られし傀儡は、ただ命令を受け攻撃を仕掛ける。


 だがその程度で、この男がやられる訳もなく。
 士はすぐさま銃を近接用の剣へと変え、横一閃に振り抜く。斬りつけられたガジェットは、回線がショートし爆破。爆炎は士の身体を包んだが、生身でない士はそれに焼かれることはなく、炎が晴れたそこには変わりない彼(ディケイド)の姿があった。


「……やはり、一筋縄ではいかないな」
「なら私が仕掛ける」


 その様子を見ていた戦闘機人―――オットーとディード。二人は以前から、彼のことについて自らの生みの親と、同じ戦闘機人の一人から話を聞いていた。
 親は彼を「興味深い研究材料」と言い、同族は「自らが倒すべき、“殺す”べき相手」と語っていた。

 しかし今彼を殺害対象としている同族は、この場にいない。あてにすることはできない。
 ならば、と前衛としての戦闘能力を持つ、長い髪を持つ女性体の戦闘機人―――ディードが、二本の剣を持って前に出る。


「―――IS“ツインブレイズ”」


 目の前で交差させた双剣は、刀身のない状態から赤く光る実体剣へと姿を変える。そして双剣を構えたまま、ディードは瞬間加速を開始する。
 数体のガジェットを粉砕している最中の士へ標的を定め、彼の死角である背後へと一瞬で移動する。

 そしてディードは両手に持つ双剣をしならせ、頭上へと振り上げる。狙うは一撃で人を昏倒させられる―――首筋の一点!


 ―――ガギィィィンッ!

「ッ…!?」
「甘いぜ戦闘機人…見えてないとでも思ったか?」


 しかし、その攻撃に士は反応してみせた。しなりを加え攻撃力の上がったディードの双剣を、後ろに構えた一本の剣で受け止めたのだ。
 あまりの出来事に驚愕するディード。それもその筈、彼女の一撃は士の死角から放たれ、常人ならば目視する叶わぬ速度での太刀筋だった。それにも関わらず、彼は後ろを確認しないままディードの攻撃を受け止めたのだ。驚かない方が無理な話だ。

 ディードはそこで意識を浮上させ、すぐさま距離を取る。対する士は、そんな彼女と向かい合う様に構えた。


「あの場から急にいなくなったんだ、警戒しない筈がないだろう?そして気配と殺気が同時に背後
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