第七話 風の剣士と黒の剣士
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ツかー」
楽観的に言うと、後ろを向いて言う。
「総員ー……全力で走れ」
『は?』
俺の指示の意味が分からないと言うように疑問符を浮かべるメンバー。俺はすぐに炎の向こう側を見ると、それは現れた。
見上げるようなその身体は、全身縄の如く盛り上がった筋肉に包まれており、肌は周囲の青い炎に負けないほど深い青で染められており、分厚い胸板の上に乗った頭は山羊そのもの。
頭からは捻れた角が後方にそそり立ち、眼は青く燃えているかのように輝く。下半身は濃紺の長い毛に包まれており、動物のようになっている。簡単に言うと、悪魔その物の姿である。
名前を見なくても、俺はコイツの名を知っている。
七十四層を預かる階層主?ザ・グリームアイズ?。
青い悪魔は俺達を視認すると、何処からか取り出した大剣をかざしてーーーーー地響きを立てつつ猛烈なスピードで突進を開始した。
『う、うわああああああ!!!!!』
俺以下メンバーは全員敏捷値最大の逃走を開始し、瞬く間に見えなくなった。
「……」
俺はグリームアイズを見て、何故か謝らないと行けないような気がして一礼すると、来た道を走っていった。
?追跡?を使って追い掛けた俺は、迷宮区に設けられている安全エリアに入る。メンバー全員は纏めて壁際にへたりこんでいた。
「情けねぇなお前ら」
言うと、クレイが叫ぶ。
「あんなの聞いてないよ!?」
多分、俺以外全員の総意だろう。
「いや当たり前だろ。俺も手伝いしただけだし、実際ちゃんとボスは実装通りになってるかなんて知る訳ねぇだろ」
言うと、全員が首をもたげた。相変わらずの面倒臭いメンバーだ。
「暫く休憩後、本部戻るぞ。その後、攻略組に要請してボス攻略作戦決行するから」
『了解ー』
すると、ストレージから支給されている昼飯を取り出して、食べ始める。俺はその間に安全エリアから出て、周囲の索敵をする。
(此方来る途中誰も来なかったけど……あのネタはガゼってことか?)
解放軍前線進出の情報を気にしていた俺なので、ガゼだったなら何よりである。すると、索敵に二人のプレイヤーが引っ掛かる。と同時、風と共に安全エリアに二人が入ってきた。
「誰だ……?」
エリアに入ると、KoBの?閃光?アスナとソロの?黒の剣士?キリトが座り込んでいた。
「お、アスナにキリトか」
「お久しぶり、クウト」
キリトは手をあげて言うと、息を切らして言う。
「あー、本当になんだよ。あのボスは」
「もしかして、グリームアイズん所行ったのか?」
「ええ。今日私達暫くコンビ組むのでよろしく」
すると、一部のメンバーがキリトを睨む。いや、正確には俺と同じような慈愛の睨みだろうか。……分かんないけど。
「……まぁ二人が来たなら良いか。俺は寝る」
俺は言うと、地面にねっころがる。すると、
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