本編 第二部
第一章「世界を覆う沈黙の鐘」
第一章 「物語は唐突で凄絶に始まる」
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というわけです」
「つまりハリケーンを起こしてるのはリヴァイアサンでそれは箱の中のなにかを外に出さないためというわけですか」
ガブレ・アモス神父はふっと微笑んだ。伊佐の理解が早いからだ。といってもアモスさんがくるまえに大体のことは警視総監の松峠さんと賢治のお父さんから聞いてしまっているのだが。
「そうです、バハムートの娘よ、あなたがあそこへいくのは運命かもしれません。しかし敵は箱の向こう側ばかりにいるのではありません。魔王ルシフェルはこれを好機に堕天使と悪魔の軍をよこすでしょう。もとは神に等しき存在。戦いは困難になるでしょう。それでもあなたたちは勝たなければならない。幸い、ハリケーンの中までは魔王軍は
入って来られない。要はあなたたちが箱の中へと到達し対立せし者と対決し打ち果たせるかにかかっているのです」
「私は一人ではない。仲間がいる。ならそれを信じて戦うだけだ」
「注意してください。箱の外に彼らを出してはいけませんよ。それだけで世界にどんな異変が起こるか分からない」
「大丈夫、心配めさるな。ご老人。わしの孫はそんなにやわではないのでの」
伊佐のじいさんで拳法の達人。天源流の継承者だ。今まで道場の方にいたがこちらがさわがしくなってさっき伊佐がお茶を汲むとき呼んでおいたのだ。神父とおなじくらい存在感がある。
「あなたがミスター・セキサイですね、お話はかねがね聞いております。そのお年で最強と噂される天源流の継承者」
「いや、こりゃどうも、あなたはわしの孫の身を案じてきてくれたのでしょうが心配いりませんや。この子ら、これでいてなかなかしっかりしておるでな」
「そうですね、私もこうやって話してみて内心すこし安心しています。でも相手はあなどりがたい、みなさん世界の運命のためにどうぞよろしくお願いします」
「はは、言われなくともそのつもりだよ、神父」
「そうか、ではボクハこれでちょっと行ってくる、じゃあ賢治みんなと世界を守るのはお前の仕事だぜ」
「おう、おやじこそへますんなよ」
「バカ言ってる場合じゃないね、これでもヘビー級ボクサーだったんだよ?こんなボディブローで沈没するようなやわな国際機関じゃないね」
「いや、おやじの経歴と国連関係ないから」
「ま、国際連盟もヘビー級ボクサー並ってことね、日本の行政も世界の政界もあまりなめないでほしいね、これでもみんなに文句たらたらでもパワーバランス考えながら必死にやってるね」
「けっいってろ」
「はは、それじゃネー」
おじいさんも賢治のおとうさんも一目で相手が只者ではないのに気付いた。
「そちらさんは賢治のお父上かな?」
「はあ、よくわかりまシタネ」
「金髪でどことなく賢治ににていらっしゃるから」
「いやあ、いつもうちの息子がお世話になってます」
「おまえさんの息子結構見ど
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