第三話「RSリベリオン・セイヴァ―」
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「お任せください……」
と、もう一人の男がサングラス越しの目で俺を宥めた。
「!?」
俺は、何が何だかわからずに、両腕を男たちにつかまれて共に玄関を出てしまう。
「お、おい! 離せよ!? 親父! これは、どういうつもりだよ!?」
「お前を勘当する。よって、お前をある施設へ預けてもらうことにした。むしろ、ありがたく思え?」
「ざけんなっ! 要は俺を売ったんじゃねぇのか!?」
「子宝は、舞香だけで十分だ。お前には心底失望した。もう、お前は九条家の人間じゃない。今日から与えられるネームプレートの番号で名乗りなさい?」
「そ、そんな……お袋!? あんたも、親父と同じ考えなのか!?」
「飛鳥……」
しかし、御袋は俺から目を逸らした。
「御袋……母さん!?」
「母さんなんて呼ばないでちょうだい!!」
「……ッ!?」
「あなたのせいで……どれだけ私達のプライドが傷ついていると思っているの? もう、これ以上私たちを苦しめないで……」
その、理不尽な言葉に俺は今まで堪え続けてきた家族への怒りが爆発した。
「なんだよ……何でだよ!? 傷ついているのはこっちじゃないか!? 俺はお前たちの何なんだよ!? 俺も、こんな家に生まれてくるんじゃなかった……」
両親は、最後まで俺を哀れむ目で見ながら、強引に車へ乗せて連れ出されるのを黙って見届けた。
*
メガロポリス警視庁
凶悪犯罪を専門に取り締まる特捜部の部署にはキャスケットを被った一人の男しかいなかった。
年代は中年ほど、少々ビールっ腹が目立ってきた厳つい顔をした男である。
「ったく、休日の日ぐらい部屋で釣りかゴルフでもさせてくれりゃあいいのによぉ?」
そう呼び出されたことに愚痴をこぼしながら男は指示があるまで待ち続けた。
「多熊警部? こちらが今回のファイルです」
若い部下が、彼の元へ今回の事件に関する情報ファイルを持ち出してきた。
「ああ、そこに置いておいてくれ? このコーヒー飲んだら見るわ?」
「はい……あの、随分とご機嫌斜めのようですね?」
「全くだ! 久しぶりの休日に呼び出されちまうんだからよ? ああ……警察ってのも楽じゃないぜ?」
「そうですか……」
苦笑いしながら、部下はファイルを中年の男こと、多熊警部の机に置いて持ち場へ戻った。
「さて……」
コーヒーを飲み終えると、多熊はファイルを手に取って開いた。
「ISか……」
最近はISに関するいざこざが後を絶たない。彼とて、高慢ちきな女共のことで振り回されるのは心底飽き飽きしている。どうせ、男がISの女の大ゲンカして暴力沙汰に繋がったのだろう?
だが、今回の内容だけはいつも彼を呆れさせてきた暴力事件ではない。
「あぁ?」
内容によると、一人の少年がテロらしきISの集団を皆殺しにしたという、なんともふ
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