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RSリベリオン・セイヴァ―
第三話「RSリベリオン・セイヴァ―」
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して車は差って行った。
「さてと……」
現実に引き戻され、俺は嫌な気分になって帰宅した。あれから、何日経ったのか? ある意味で俺に心配しているだろう?
「ただいま……」
俺は、靴を脱いで家に入った。またいつものようにトイレから出た父親とばったり会ったが、親父が何も告げずに俺をスルーした。
「た、ただいま……」
「……」
しかし、親父は黙ったままそのまま行ってしまう。
「待てよ……?」
「……?」
俺は呼び止めて、親父を振り向かせた。
「気にならないのかよ……?」
「何がだ?」
「俺、何日も帰ってこなかったんだぞ?」
「だから、どうした?」
「どうしたって……普通は聞いてきたり、怒ったりするんじゃないのか?」
「怒れば、お前は反抗するだろ? それに、私はもう何も言わん。好きにしろ……」
それだけ言うと、親父は行ってしまった。
「……」
俺がいない間、家族は俺に見向きもしなくなったようだ。ま、何日も家出をしたという形で受け止められていたんだ。心の底では勘当したのかもしれない。

自室に戻った俺は、ふて寝していた。

「……」
ベッドに横たわりながら、あの男が暮れた紙切れを開いた。
『五日後の金曜、メガロポリス・エリア5の第3公園の噴水付近で午後の6時までに来てくれ? 
もし、君が来ない場合は、直接俺が尋ねに向かう。それまでの間はゆっくりと考えてほしい』
――五日後か……
どちらを決めるかといわれたら、正直迷う。ここでの生活は嫌だ、だからといってリベリオンズとかいうヤバそうな組織はどういう存在なのか気になる、。下手すればテロリストなのかもしれない。
しかし、あの弥生という少女もそれに加担しているとは到底思えない。いや……きっと、俺に言った優しい慰めも、きっと俺を騙しているのかも……?
「……!」
考えれば考えるほど嫌になってくる。俺は起き上がり、ゲームでも気晴らしにしようとテレビのスイッチを付けようとした。
「飛鳥、お客さんだ。早く来なさい?」
ゲーム機に触れた途端、親父が俺を呼びだしてきた。俺に客とは考えにくいが、とりあえず一階へ降りて顔を出すことにした。
「はい……僕が、飛鳥ですけど?」
階段を降りて玄関に顔を出した。すると、そこには黒いスーツの男たちが立っていた。明らかに怪しすぎる。そして、何よりもそんな彼らと両親が何やら話し合っているのが気にかかった。
「な、何話してんだよ……?」
俺は問うと、親父は男たちから受け取った黒いトランクを抱えて、その中身を見せた。
そこには……札束がパンパンに敷き詰められていたのだ。
――か、金!?
「全部で3億あります。よろしいですか?」
スーツ男の一人がそう問うと、父親は満足げに頷いた。
「ええ……では、うちの愚息をよろしくお願いします」

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