第三話「RSリベリオン・セイヴァ―」
[3/10]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
死んだ光景を、俺は何度も目にしたことがある。それに俺の親父も……」
男は、次に自分の家族のことを話した。
「……親父は、空自のパイロットだった。だけど白騎士事件でスクランブルして、白騎士に撃ち落されて死んださ? お袋も、政府から口止めをされてからというもの、父親の無念に耐えきれずに自殺した。俺は後に祖父母の元へ預けられたが、それでも俺は常に孤独だった。女尊男卑っていうつまらない風習に押し流されて、いつしか俺は自分自身の存在感に疑問を持ち始めてしまった。だが、そんなある日、俺はRSという存在を知った」
「RS……」
先ほどから、彼が言葉に出すその用語は何の意味を表わしているのか、俺は気になって彼にその「RS」とやらのことについて尋ねた。
「すみません。その、「RS」とは何なんですか?」
「RSか? そういや、説明がまだだったな?」
男は立ち上がると、掌を俺に向かけ出して、何かを呟いた。
「迅紅、展開……」
その一言を発した途端に、男の掌から光と共に数メートルもの長い太刀が姿を現した。
赤い鞘に納められたその太刀は鮮やかに美しく見えた。
「か、刀!?」
俺は驚いて、まだ残る疲れなど吹き飛びそうになった。
「RS、通称リベリオン・セイヴァ―は、ISを一撃で倒すことのできる武器のことだ。剣や槍、斧などと言った近術武器の形をしているが、見た目とは裏肌にISを一撃で沈める威力を秘めている」
「……」
男の説明に、俺は半信半疑に聞いていた。普段なら信じられない漫画のような内容だが、現に俺は俺はその「RS」とやらを取り出してISと戦った。
「じゃあ、俺が使ったあの二本の刀も?」
「そうだ、RSだ。それも「新型」のな?」
「新型?」
「詳しいこと内容は言えないが、あれは特殊なRSだった」
「なんだか、とんでもないことやらかしちゃいました?」
俺は、またいつものように自分がしでかしたのかと恐る恐る尋ねた。
「いや……君があのRSを展開するまで、装着者は誰も居ないのかと思われていたが、現に居ることを知って、開発部門は大喜びだそうだ……」
「……あの、ひょっとして俺にそれを付けて何かしろってことですよね?」
不安になった俺は男にそう尋ねる。もちろん、図星であった。
「……まぁな?」
しかし、男は「……だが」と付け加えた。
「……これは、君自身で決めるといい。俺たちのことは考えないで、まずは自分の気持ちを伝えてくれ? 俺は、別に強要させる気などない。しばらく考えて、答えが出た時に、もう一度俺の元で答えを聞かせてくれないか?」
「……」
「しばらく休んでいくといい? あ、それともこの基地に泊まりながら答えを見つけ出すのも悪くないぞ?」
「ありがとうございます。でも、もう一度家へ戻ってもよろしいですか?」
俺は苦笑い
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ