第三話「RSリベリオン・セイヴァ―」
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「……」
暗い闇の中、俺はそこにいた。自分の体以外は何も見えない暗く寂し場所だった。
「ここは……」
辺りを見ても闇ばかりが広がる世界。長居するだけで虚しさに包まれてしまう。
『お前はダメな人間だ……』
「!?」
どこからか聞こえた声に俺は振り向いた。その声は、親父の声だった。
「親父……?」
いや、親父だけじゃない。
『どうして舞香だけが優秀なのかしら? 飛鳥なんて産むんじゃなかったわ……』
「お袋……」
そして、
『なんでアンタなんかがアタシの兄貴なんだろ? どうして、アンタなんかが生まれてきたの?』
「舞香……」
妹も俺を否定した。俺以外の家族すべてが、俺の存在を否定する。
『不良品め……』
『産むんじゃなかったわ……』
『いっそ死んじゃえ……』
その言葉が繰り返し俺の頭へ直接響いてくる。
「や、やめろ……!」
『お前に生きる資格はない……』
『あなたのような子はいらないわ?』
『早くここから居なくなってよ!』
「黙れ! 黙れぇー!!」
何度も響いてくる声に俺は苦しみながら叫び続けた。
*
ガバッ……
勢いよくベッドから起き上がった。先ほどの出来事は夢、それも悪夢だったのか……
「……!」
息を荒げ、汗だくになった額を片手で拭うと、カーテン越しから照らされる日差しへ顔を向けた。
やや眩しいものの、外の景色が見える。
「ここは、どこだ?」
最初に思いついたのが、自分が今居るこの場所だ。見知らぬ白い部屋に白いベッド、まるで病室のようだった。
「俺は……いったい?」
頭を抱えて、どうにか思いだそうとするも、まだ疲れが溜まっているせいか思いだせそうになかった。駄目だ、何も覚えていない。我武者羅にISの連中に突っ込んで、そうしたら気が付いた時には二本の刀を手にIS相手に大暴れして……まてよ?
「お、俺は……!?」
そう、徐々にあの一面を思いだした。俺が、二刀の刀を振り回して次々にISの女性たちを斬り殺していった……
「ひ、人を……殺したのか!?」
今思うと、ますます罪深さを抱いてしまう。俺は、人を殺してしまったのだ……
「……ッ!!」
両手で頭を抱えると、俺はとっさに苦しみだした。自分が初めてしてしまった罪深さに。
「お、俺は……!」
「お前が悪いんじゃねぇよ? テロ相手に情けなんかかける必要はねぇ……」
ある男の声に俺は振り向いた。いつ来たかわからないが、一人の男が隣に立っていた。
ワカメのようなひらひらした前髪にボンヤリとした目つき、どこかで見覚えのある男だが、よく覚えていない。
「……」
「奴らはISのテロ共だ。お前と弥生を殺そうとした悪党共だ。悪党に女が居ようが男が居ようが、そんなの関係ねぇ」
「テロ……?」
俺は首を傾げた。別に珍しい物じゃない。ただ、今は頭
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