その8
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ど。
証拠がどこにも無くって、もう遅いかもしれないけど。
私が知ってる通りに手を出していたのならば、許さない。
許せない。
ユルサナイ!!
暴れる九喇嘛の声に合わせて、私の目も熱くなる。
お腹が痛くて千切れそう。
だけど、千切れるなら千切れればいい。
私は怒ってるんだ!
こんな所、潰してやったって、私は全然構わない!!
だけど、ヒナタとイルカ先生と、泣き疲れて私の後ろで眠っているサスケ君の存在が、鎖を引きちぎって暴れだしたい私の気持ちを押しとどめる。
理性を無くしてしまって、大事な人まで殺したくない。
激昂しかけた私は、僅かに冷静さを取り戻す。
そこへ、鋭く冷たい殺意が滲む声をかけられた。
「何があった。ワシに話せ」
冷静さをなくしかけていた私は、その声にはっとなった。
そう。
私は怒りに捕らわれているべきじゃない。
私はこの人に頼みたい事があるんだから。
「何があったのか、詳しい事は私にも分かりません。でも。里とうちはの間に諍いがあって、根のダンゾウさんがうちはの血族が持つ力を手に入れたくて仕方無さそうにしてたのは知ってます。こんな下らない人間共がいる里にしがみついて」
だけど、苛つき、ささくれ立つ心は全然落ち着かず、私の声と言葉を刺々しい物に変えてしまう。
それに、不確定な物だけど、私の記憶が囁く高確率な推測に憎悪と憎しみが溢れ出す。
「確証のある話じゃないです。こんなに誰彼構わず殺したいって思うのは初めて何です。だからお願いがあるんです」
ひたり、と自来也さんの瞳を見据えて、頼み込む。
「もう遅いかもしれないけど。うちはの人達の遺体を根から取り返すのを手伝って下さい。遺体だけじゃない。うちはに伝わる秘術や巻物なんかもだ!!絶対に横取りしてやがるにきまってるんだ!あいつは性根の腐った浅ましいこの里なんかを守ろうなんて考えてる屑なんだ!イタチさんを追い詰めた奴の一人なんだ!!そんなの絶対許さない!!絶対絶対殺してやる!!あれはサスケの物だ!サスケとイタチさんのものだ!木の葉の里の物なんかじゃないんだ!うちは以外が手にしていい物じゃない!!!!」
頼んでいたはずなのに、私は結局また怒鳴り散らし始めていた。
煮えたぎるような殺意が止まらない。
お腹が熱くて、全身が熱い。
「落ち着け、ナルト!何が何だかワシには分からん!ワシにも分かるように話せ!」
「鈍いよ!だから惚れた女一人振り向かせられなくて、誰一人自分の側に引き止められないんだ!!」
私に詰まった悪意が自来也さんの声に反応して弾け飛ぶ。
口から飛び出てしまった言葉と、サスケ君がむずかる声が聞こえてきてそちらを振り返った私は、頭に登った血が少し下がってきた。
怒りが収まると、冷静さが戻って来て
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