第2章 夜霧のラプソディ 2022/11
19話 世界の裁定
[7/7]
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
「………プレイヤー、キャリブレーションと異なるアバター………」
ふと、頭の中でカタンと嵌まる気がした。
この子とは、ティルネルの中に居るというプレイヤーの事だろう。このSAOを管理しているシステムには《人間の意識を保存する》という機能は恐らく存在していない。そもそもHPを全損したプレイヤーの脳はアバターの死亡と同時に高出力のマイクロウェーブによって焼かれるのだから、人間の意識というものには然程の頓着はないのだろう。これはその証左でしかないが、ここで重要な問題は《プレイヤーの記憶》の出所にある。
答えは十中八九そのプレイヤーが装着しているナーヴギア。そして彼女の脳は未だに焼かれていない筈なのである。つまり、彼女のアバターを何らかの方法で復活させられれば、SAOへの復帰は叶うのではないだろうか。そして、恐らくそれを可能とするであろうアイテムを俺は所持している。プレイヤーのアバターをリアルでの自分の顔に作り変えてしまった、あの日を象徴する忌まわしきアイテム《手鏡》。
あの時、アバターのデザインを書き換えたのではなく、全く別のアバターを生成したとするならば、この手鏡には今求められる奇跡を起こし得る可能性が眠っているのだ。
ティルネルの言っているようにプレイヤーが中にいるのならば、ティルネル自身を《プレイヤーが使用している》アバターとしてシステムが認識する可能性も十分考えられる。思考もそこそこに《手鏡》を急いでオブジェクト化してティルネルに手渡す。
「お前が決めろ。これを使うか否か、賭けるか否かをな」
[8]前話 [9]前 最初 [1]後書き [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ