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少女の黒歴史を乱すは人外(ブルーチェ)
第六話:嵐の前の、長い静寂
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う。
 いや、これまでも、これからも、コイツ一人で充分だ。



 何時も通りな妹の残念ぶりに呆れ、何時も通りな長い階段を上り、何時も通り神社の裏手にある自宅の扉の前に立ち、何時も通り中へ入って何時も通り階段を上がる。


 そして何時も通り張り付いてくる妹をはっ倒し、窓の外に広がる何時も通りな景色を見た。


「……」


 そこで俺は、とある一つの疑問を抱いていた。


 何故、俺は生き返ったのか? 何故、あの激痛が起こったのか? 何故、味覚が激変してしまったのか?

 そして最近分かった事―――――何故、俺はあのベランダに居る時の事から前の記憶が、大雑把にしか思い出せないのか……?


「そもそも……俺は何で『赤ん坊の時から』意識がハッキリしていた……?」


 何時も通り流れて行く時間、何時も通り徐々に日が落ちて行くその風景に、俺は帰ってこないだろう疑問をぶつけた。






 その何時も通りは、三日後に脆くも崩れ去る事となる。


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