第六話:嵐の前の、長い静寂
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てこようとする。
漫画に対する価値観や、その話の内容に抱く感想などは、個人個人で極論大きく違ってくると言っても過言ではないのに、反対意見が口から出たのを聞くや否や力で訴える事に走る。
普通に考えれば暴言がいい所だろうに、幼馴染の思考回路は貶される=手を動かすに直結しているのかもしれない。
そんな奴とは、ハッキリ言って別々の学校に分かれるのが良かった。
が、結果はご覧の通り……俺もくらってばかりは癪なので、避けたり受け止めたりもしょっちゅうしているが、それでも仮のサンドバッグが居なくなったら困るのか、俺の入学した方へ着いて来てしまったのだ。
三つ目―――それは味覚障害が酷くなってきた事だ。
以前は不味くてもまだ食べられるレベルだったのが、今ではそれが少しばかり悪化している状態になっている。
何が悲しくて、家族が美味しそうに飯を食べいてるその傍ら、塊を呑み込むように飯を腹へ落として行かねばならないのか。
幸いなのは不味くとも吐き戻す事は無い事、そして栄養にはなっている事ぐらいだ。
何故分かるのかと疑問を投げつけた奴は、ちまちま買い食いしている《食べられる物》の量が少ないと言えば、それも納得できる筈だ。
……あの激痛が体に及ぼした影響は味覚の、しかも負の方面ばかり。オマケに理由は分からず、健康そのもので風邪もひかない。
じゃあ原因不明で仕方が無いからと、誤魔化し続けるにも限界はある。本当に原因が分からないと言うのに余計に騒がれて、これ以上の厄介事を引き込むのは御免だ。
あの両親に相談だけはしたくない。したら最後、喧しい程取り乱すか、優子さんのご飯がうんたらカンタラ〜と喚いて親父が拳をお見舞いするか、この二つに一つなのだから。
まるで一歩進むごとに一発に殴られる様な事態は、兎に角鬱陶しいとしか言いようがないだろう。
が……殴られるならまだしも、取り乱す方ならまだ良いのではないか?
そう思った人は―――幼い頃に夜唐突に熱が出た際、医者を呼ぶのではなく枕元で太鼓をドコドコ叩きまくり、よく分からない呪文を一心不乱に唱え、利かないとくればあらゆる祈祷方法を試す。
……そんな《医者呼べば済むだろうが》な事態に直面した俺の経験を聞けば、考えも変わるだろう。
また巻き込まれるのは御免だ。
ストレスの要因は確実に増えていたからな。
まあ、一方で最近良い事はあった。
もうすぐ、と言うか明日から夏休みに入るのだ。
即ち小うるさい教師人とは、暫くおさらば出来る。宿題も当然の如く出たが、チラと見た限りでは難易度はそこそこ。
確りコツコツやっていけば、泣きを見る事態にはならないだろう。
ホームルームが終
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