暁 〜小説投稿サイト〜
少女の黒歴史を乱すは人外(ブルーチェ)
第六話:嵐の前の、長い静寂
[2/6]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
てこようとする。


 漫画に対する価値観や、その話の内容に抱く感想などは、個人個人で極論大きく違ってくると言っても過言ではないのに、反対意見が口から出たのを聞くや否や力で訴える事に走る。

 普通に考えれば暴言がいい所だろうに、幼馴染の思考回路は貶される=手を動かすに直結しているのかもしれない。


 そんな奴とは、ハッキリ言って別々の学校に分かれるのが良かった。

 が、結果はご覧の通り……俺もくらってばかりは癪なので、避けたり受け止めたりもしょっちゅうしているが、それでも仮のサンドバッグが居なくなったら困るのか、俺の入学した方へ着いて来てしまったのだ。



 三つ目―――それは味覚障害が酷くなってきた事だ。


 以前は不味くてもまだ食べられるレベルだったのが、今ではそれが少しばかり悪化している状態になっている。
 何が悲しくて、家族が美味しそうに飯を食べいてるその傍ら、塊を呑み込むように飯を腹へ落として行かねばならないのか。

 幸いなのは不味くとも吐き戻す事は無い事、そして栄養にはなっている事ぐらいだ。

 何故分かるのかと疑問を投げつけた奴は、ちまちま買い食いしている《食べられる物》の量が少ないと言えば、それも納得できる筈だ。

 ……あの激痛が体に及ぼした影響は味覚の、しかも負の方面ばかり。オマケに理由は分からず、健康そのもので風邪もひかない。
 じゃあ原因不明で仕方が無いからと、誤魔化し続けるにも限界はある。本当に原因が分からないと言うのに余計に騒がれて、これ以上の厄介事を引き込むのは御免だ。

 あの両親に相談だけはしたくない。したら最後、喧しい程取り乱すか、優子さんのご飯がうんたらカンタラ〜と喚いて親父が拳をお見舞いするか、この二つに一つなのだから。
 まるで一歩進むごとに一発に殴られる様な事態は、兎に角鬱陶しいとしか言いようがないだろう。



 が……殴られるならまだしも、取り乱す方ならまだ良いのではないか?

 そう思った人は―――幼い頃に夜唐突に熱が出た際、医者を呼ぶのではなく枕元で太鼓をドコドコ叩きまくり、よく分からない呪文を一心不乱に唱え、利かないとくればあらゆる祈祷方法を試す。
 ……そんな《医者呼べば済むだろうが》な事態に直面した俺の経験を聞けば、考えも変わるだろう。
 また巻き込まれるのは御免だ。
 ストレスの要因は確実に増えていたからな。



 まあ、一方で最近良い事はあった。

 もうすぐ、と言うか明日から夏休みに入るのだ。
 即ち小うるさい教師人とは、暫くおさらば出来る。宿題も当然の如く出たが、チラと見た限りでは難易度はそこそこ。
 確りコツコツやっていけば、泣きを見る事態にはならないだろう。


 ホームルームが終
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ