第3章 リーザス陥落
第51話 其々のご褒美
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〜ラジールの町・リーザス解放軍指令本部〜
ユーリとかなみは、ランス達を見送った後、真知子の言うとおり、とりあえず戻ってきた。
だが、内心、正直に言えば、今回ばかりは あまり良く思っていない。なぜなら、あの膨大な資料を目の当たりにしてしまったからだ。ランスの様にあからさまな反応は出さないものの、完全な担当外なのだから。
「あー、真知子さん。悪いんだがオレは冒険者なんでな。……あまり役に立つとは思えないぞ? 情報を扱うプロの君らに比べたらさ?」
ユーリはそう言っていた。
実を言うと、さっきのランスとのやり取りは、真知子なりのランス・回避術なのだが……、どうやらユーリは間に受けてしまったようだ。あの情報誌の内容を見たら仕方がないだろう。
真知子はそれを見越しつつ、笑みを見せていた。
「ふふふ。はい。それは判ってますよ。情報を武器なんですから。誰にでも出来るものじゃありません。私達は、ユーリさん達の様に戦えない変わりに、ユーリさん達に出来ない事をしてますから。複雑な暗号の様にもしてます。適材適所と言う言葉の通りですね」
真知子は、笑顔でそう答えた。
それを見たユーリは漸く判ったようだ。ランス達と自分たちを離したかったと言う事を。
「……ん?? なら何だ。何か用があったのか?」
「私も必要でしょうか? 隠密、諜報であれば、役に立てると思いますが……」
かなみもなぜここに呼ばれたのかよく分からなかった様だ。
最初はユーリの様に情報の処理の役に立てるとは思えず同じように答えようとしたんだ。
「あら? ユーリさんは兎も角、かなみさんも、お忘れみたいですね。最初から説明をしますよ。本格的な作戦は明日が本番です。今日は囁かながら休息をと、リーザスの将軍様たちから計らいがありまして」
「……えっと、え?」
「話が見えないな、真知子さん? 本題に入ってくれないか? オレ達は何をしたらいいんだ?」
ユーリは、意味深に真知子が言っているのは理解できたのだが、何のことなのかは判ってない為、そう聞いていた。視界の端にいる志津香は、どこか落ち着かない様子で、忙しなく裾やら帽子やらを触っているし、ランも上の空、いや 顔を赤らめている。ミリは、ニヤニヤと笑いながら腕を組んでいる。……ここまで客観的に見てみても嫌な予感が走るのは気のせいではないだろう。
「あっはっは!! もー忘れちゃったのかしら? ユーリ!!」
そんな時だ。
『どーん!』と言う大きな音を立てながら乱入してきた者達がいた。
1人は……、勿論ロゼだ。
高らかに言いながら入ってきて、露出の多いその格好を隠しも惜しげもせずおっぴろげている。この場に男が少ないけれど、と言うかユーリしかいないのだが、
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