第30話
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光が無くなって、視界が確保出来たかと思えば、そこはお馴染み前世の部屋。珍しく自称神様が神妙な顔をしている。
「…予想外だったよ、コレは。ゴメンね智春君、僕も油断していたよ」
いつもの『軽さ』が無く、本気で憤っているのがわかる。ともかく、実状を把握したい。
「イヤね、簡単に言うと僕と似たようなことした奴が居てさ、君から力をパクった女の子いたよね?その子と転生のタイミングが被ってISの能力が君に盗られたって、そんなのコッチは知らないっつーの!!」
御立腹である。相当御立腹である。大噴火とも言える。
「つまりヴァンガードの毎回の最適化は…」
「二機のISが混ざった結果だろうね。でもそうなったのは智春君の責任じゃないのに何が『悪影響を及ぼす、居るべき存在じゃない者だから消すべき』だ!僕が見いだした子を舐めてんのか!!」
「落ち着いてくれ。向こうの言い分はわかった。…救出してくれたんだよな?」
宥めながら神様に訊ねる。消える直前に救ってくれたのだろうと。
「……間一髪だったよ。君には何の落ち度もないし、こんなことをされる理由もない。本当なら何もかも元通りにしてあげたいけど…」
「…無理か」
「君が消失したから、一夏君や君が仲良くしていた人達の関係は、綺麗になくなったんだ。それに、ISも…」
右腕を見ると、濃紺の腕輪が見る影もなく細く薄くなっていた。
「今のヴァンガードは文字通り吸い殻、残り粕。なんにも出来ない、壊されるだけのISだよ。こうなったらコアも…」
「どうにもならない、か。…ゴメンな、ヴァンガード。何もしてやれない…」
自分の無力さにうちひしがれ、項垂れる。どうすれば、どうやればいいのか。落ち込む俺に、
「智春君はどうしたい?何なら、君がやりたいこと全てが上手く行く世界でまた新しい人生をはじめてもいいよ。…ソレを選ぶ権利はあるさ、コッチのミスだもん」
神様が優しい声色で、新たな人生をと奨めるが、どうしたいかと言う問いが俺の目を覚まさせた。そうだ、大事なのは、どうするかの『手段』ではなく、何をしたいかの『目的』ではないか!
「神様は前に言ったよな、負けず嫌いで、自分のISが敗けるのは我慢できないって」
「君…、まさか!?」
「頼む神様、もう一度ISの世界に行かせてほしい。…まだやり返してないんだ」
最初は不本意だったが、自分なりにあの世界の人々とふれ合い、愛着を持ったのだ。向こうの言い分もわからなくないが、ワガママを言わせてもらおう。
―そうだよ!そんな勝手な奴はやっつけちゃえ!
突如として頭に入ってくる声。…何で福音が居るんだ。
―気付いたら一緒に居たよ?それよりも、戻るなら僕を使いなよ。
―そんな事出来るか!約束
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