悪魔の操逐
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不審な行動を見て「さて、やっと私が見える人がいて身体を失敬しようと思ってたのに気を失って病院に行って運よく再会も出来たことだし、身体を借りるよ。」と少女は言ってさらに僕に近づき身体に触れようとした。
まさに僕の身体に触れた瞬間『バチッ』と静電気の様な音と共に少女はビクッと痙攣を起こして二、三歩後ろに下がった。 僕は一瞬何が起きたか分からなかったが、(これしかチャンスはない、あいつは今は動けないと思うし、こっちは走ろうと思えば走れる。)と思って一気に走ろうとした次の瞬間少女が『キッ』と僕の方を睨んできた。僕はその顔を見た瞬間何かに飲み込まれたような感触に襲われた。何と言えばいいのだろう、急に冷水をかけられ、氷漬けにされた様な...。
「お前、私に、何をした。」少女はこの世のものではないような声で言った。僕は(え、し、知らない、知らないから、こっちに来るな。)と叫びたかった。しかし、少女は1歩、また1歩と私に近づいてきた。僕も1歩2歩と下がっていった。しかし、彼女の方が早かった。
彼女は僕に倒れる様に飛びついてきた。僕はその反応に対処出来ずそれを許してしまった。僕は精一杯放そうとしたがなかなか離れてくれず、それどころか、離れたくない様にギュッと強く掴み、そして離れなくなっていった。
少女は僕に「もう決して…離さない…そして…私…と…同じ…運…命…を………」少女は黒い何かに変わって消えてしまった。
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いつの間にか僕は気を失っていたらしく、目が覚めると病院と思しきベットに寝かされていた。隣には親が心配そうにこちらを見ていた。親が僕に気が付くと「先生、戀が、戀が目をあけました。先生、」と叫びながら部屋から出て行った。僕は「何で同じことが繰り返されてるんだ?」すると親が先生を半ば引きずりながら部屋に入ってきた。白衣を着た20代後半と思しき美しい先生だった。僕は反射的にベットから起きて「何で、何でいる。何でここにいるんだよ?」と叫んでいた。親は「すみません、うちのバカ息子が…」と言った。すると先生は「大丈夫ですよー。多分記憶が混乱しているだけだと思うので。」と言った。
更に「記憶が混乱してると思われますので少しカウンセリングしたいので済みませんが少しご退室していただけないでしょうか。」と僕の親に聞いた。親は「いいですよ。」と1も2ともなく承知した。
「ちょっ、待って…」と僕は言ったが親は「あんたは男なんだかもっとしっかりしな。」と言って聞いてくれず、部屋から出て行ってしまった。
先生は親が出て行ったのを確認するとドアに鍵をかけて僕のほうを向いた。
「また、会えたね。アハハハハハハハハハハハハハハハハハハハ!!」と先生、いや、悪魔が哂った。
僕は「黙れ、この悪魔っ…………。」
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