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悪魔の操逐
悪魔の操逐
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[1] 最後
その日は偶然にも夕立に遭い急ぎながら家へ向かう僕は街の一角で、ある少女と出会った。周りの人々は視線すら送らなかった。しかし僕は彼女が何か違うことに気が付いた…。

明らかに周りの人々は彼女にぶつかりそうでぶつからない。それどころか、彼女の身体をすり抜けていくのだった。

「なっ!?」と僕は驚いた。すると、少女は僕の方を向いて「あら、貴方は私のことが見えるのね。突然で悪いけどその貴方の身体、少し借りていい?」と言ってきた。

僕は「なっ、ちょっと待っ…」突然睡魔が僕の身体を深い闇に引きずり込んでいった…。

目が覚めると僕は病院のベットと思しき場所で寝かされていた。隣には親が心配そうにこちらを見ている。親が僕に気が付くと「先生、戀が、戀が目をあけました。先生、」と叫びながら部屋から出て行った。僕はいつの間にか手を握ったり離したりして、自分の感触を確かめていた。

何分かすると、親が先生を半ば引きずりながら部屋に入ってきた。白衣を着た20代後半と思しき美しい女の先生だった。先生は「戀君、君は2日前に―−―街の一角で急に倒れた、そこは覚えているかな?」と聞いてきた。

僕は声を出して「はい」と言おうとしたら声が出なかった。なので、無言で頷いた。先生はその様子を見て「声が出ない?」と聞いてきたので僕は無言で頷くしかなかった。
先生は無言で何かを考え始めた。何分か考えていると親がしびれを切らして「先生、―――はどうなんですか?」と聞くと「戀は大丈夫です。大丈夫んんですが、『声』が『出ない』ということに引っかかりまして…」と言葉を濁した。「少し戀君と二人きりで話したいのですがいいですか?」と先生は僕の親に聞いた。親は「はぁ、まぁいいですけど…」と少し疑問を持ったが部屋を出て行った。

先生は親が出て行ったのを確認するとドアに鍵をかけて僕のほうを向いた。

「やっと二人きりになれた。ねぇ、私のこと覚えてる?」と先生は聞いてきた。僕はきょとんとしていたら、「じゃあこの姿は?」と言って指を"パチンッ"と鳴らした。すると、先生の周りに何か黒いものが集まってきて瞬く間に先生の身体を包み込んだ。

何秒か経ち、黒いものが消えるとそこには―‐―街で会ったあの少女が立っていた。僕の身体は一瞬で恐怖心にかられ、助けを呼ぼうとした、しかし、声が出ないことに気が付いた。何か物を投げつけたが少女の身体をすり抜けていくだけだった。

少女は僕の横に立つと「やっと捕まえた。あの時急に倒れたからびっくりしちゃったじゃない。まぁ、それでも、君を捕まえれたからよかったけどね」と少女は不敵な笑みを浮かべながら言った。

僕はまだ逃げ場所があるか探していたが少女はじっと僕の方を見ていてまるで『絶対に逃がさない』と言わんばかりに不敵な笑みを浮かべている。少女は僕の
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