第1章:ぼっちな姫は逆ハーレムの女王になる
1人だけもはや別宗教
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希の蹴りをタマキ×に食らったら――などと思わず想像してしまい、背骨伝いに腰から脳に向かって悪寒が走っていったのは内緒だ。珠希が空手と柔道の有段者であることを加味しなくても痛いものは痛い。
恐らく一般的な女性に男特有のこの悪寒を説明しても理解してもらえないだろうが、このJKの身空にしてerg原画家でもある珠希には何となく想像ができることだった。女性だけが身をもって体験できるいくつかの痛みをまだひとつしか珠希は知らないのだが。
「あ、別に他意はなかったよ? 一応言っとくけど」
「他意があろうがなかろうが関係ねえんだけどな今の話の流れ的に」
いきなり初対面の男子の家に上がり込む珠希の不用心な行動にもだが、そこで“(セイヨウアブラナの英語名と同じ綴り)”の未遂被害に遭った珠希の明け透けさに驚きつつ昴は何とかツッコミを入れようと頑張る。
だがその当時、危うくツッコまれかけたのは当時の珠希のほうである。
ナニを何に、とは言わない書かない書けるわけがないレーティングの問題で。
「あと、カレシ紹介するわー、とかあんま仲良くないコから誘われてとりあえず断るために会ってみたらそのままラ×ホに連れ込まれかけたりとか」
「ちょ、お前どんだけ危機意識ねえの!?」
「珠希……、さん?」
「だから、別に他意はなかったんだって」
「他意どころの問題じゃなくなってると思うけどな! 今のお前のカミングアウトからしてもよ!」
もはやこの三人の会話で立ち位置が決まってしまった感のある昴は、自らの役目を全うすべくエンドレスでボケを大放出する珠希に連続ツッコミを入れる。
「ねえ、これ言わずもがな犯罪だよね。昴」
「ああ。そのとおりだ」
なおこの三人の会話における星河の担当は話題の提供と、ツッコミ後の昴のフォロー、そして珠希に続けて放つ二段ボケの二段目である……といったそんなことはどうでもいいので――。
何にせよ、性犯罪被害者になる境界線すれすれを歩くスクールカースト制度外の少女の証言がすべて中学時代の実体験である時点で、青少年の保護と健全育成の法律や条令の周知徹底と監視ががいかにザルかが見て取れる情けない話だ。
なお連れ込まれかけた際、腕を掴まれた体勢から珠希が身体を捻って延髄に手刀を入れたら見事に今日のお昼時の3年生たちのようになってしまったのは言うまでもない。結果的にその男は逮捕、裁判を経て懲役刑の流れから前科者の箔と一緒にベッドインとなっている。
「……てか、どうしてこんなキワドい話になってるの?」
「あ、そういえばそうだね」
「てめえが言うな竜門っ!! っつーか、よくそれで男性恐怖症にならねえな!」
ふと話がそれにそれていたことを思い出した星河の言葉に珠希も乗っかるが
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