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竜門珠希は『普通』になれない
第1章:ぼっちな姫は逆ハーレムの女王になる
1人だけもはや別宗教
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でほしい。
 ……触れたら東南アジア(ロ○ナプラ)全裸(まっぱ)で置き去りにするかんな?
 せいぜいソードカトラスの露と消えないことを祈っとこう。

「さて、そんじゃ一通り文化系のは見たし、帰るか」
「そうだね」

 どうやらここで星河の希望を叶えるお付き合いも終わったようだ。
 満足そうな星河を珠希と昴で挟む形で、三人で昇降口に向かう。


 するとそのとき、不意に珠希たちの前方から声が聞こえた。

「――あっ!!」
「あ……」
「あれ?」
「……ん?」

 それぞれ四つの異なる意図で口から漏れた声に、その場が固まった。
 なお珠希の声は3番目の疑問形である。

 珠希たちの真正面にいたのは昼食時にお世話になった(・・・・・・・)ガラの悪い連中のリーダー格だった3年男子。1番目の声の主である。
 その男子の存在に真っ先に気付いて声を上げたのが2番目の声の主、星河。そしてその場が固まったことを理解できないでいる昴の声が4番目だ。

「なんだテメェ。このクソ女」

 ……えっ? 真っ先に標的にされてんのあたし?

 未だ名前も知らない3年男子に思い切り目の敵にされた、思わず星河の陰に隠れる珠希だったが、身長も体格もさほど変わらない時点であまり隠れる意味はなかった。
 しかもあちら側からすれば、あっという間に仲間3人の意識を刈り取り、サブリーダー格の親友にまで怪我を負わせた事実上の敵である。

「チッ」

 昼食時とは違い、今は誰がいつここを通るわからない放課後の校舎内。小さく舌打ちをして3年男子はその場を離れようとする。
 普段の小心者っぷりを発揮し始めた珠希に気勢を削がれたのかもしれないが、それはそれで基本的に事なかれ主義で日々平穏無事をモットーにする珠希にとっては願ったり叶ったりである。

 しかし――。

「アンタか? 昼飯んときに星河に絡んできたってのは?」

 昼間は珠希の尽力で危機から脱出できたものの、今の珠希と星河が見せた反応と一連の雰囲気でこの3年男子は昼間の危機に絡んでいると直感で判別したのか、昴がその3年男子を呼び止めてしまった。

「あ? 何だお前。1年か?」
「1年で何か問題でもあるか?」
「年上に対してその態度は何だ? ナメてんのか?」
「それが年上としての態度だったら敬ってやるよ」
「なんだと!?」

 うわうわうわうわ……。なんでどうしてこんな風になってんの?

 次第にヒートアップしていく昴と3年男子の間に割って入ることもできず、基本的に暴力が嫌いな星河と小心者のマイナス能力発揮中の珠希は一触即発の2人を見ているしかできなかった。

「こ、これヤバくない星河くん?」
「う、うん。でも昴も熱くなると周り見えなくなるタイ
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