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竜門珠希は『普通』になれない
第1章:ぼっちな姫は逆ハーレムの女王になる
1人だけもはや別宗教
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ながら、その間に設けた子供たち4人は長女があまりに全方位隙無しの万能型なだけで、声優マニアも野球バカもコスプレイヤーも皆それぞれ一部方向に特化した技能持ちだ。


「星河はどうだ?」
「僕? んー、どうだろう?」

 昴の問いかけに、口元に右手の指先を当てて宙を見上げながら考える星河。しかし――その仕草クッソかわいいなぁ。お持ち帰りしたいわ、と思っている不埒な輩が確実に一人、この場に美少女の振りして紛れ込んでいることを考えてやってほしいものである。

「でも昴も珠希さんも部活やる気ないんでしょ?」
「俺はないな」
「あたしもないよ」
「でも、昴は凄い運動できるじゃん。やらないのはもったいないよ」
「そんなん、やる気ねえ奴が混じっても邪魔になるだけだっつーの」

 珠希の場合は家事と仕事に割く時間が減るのが部活をしない最大の理由なのだが、昴の場合はその原因に遠からず近からず病弱な星河が絡んでいる。
 しかし、昴が得意な競技も知らない珠希が口出しする理由も義務もないものの――。

「ふぅん。へぇ。そうなんだぁ……」
「何だよ竜門。その今すぐブン殴りたいニヤケ面は」
「帰宅部にして運動できるとか、凄いんだねぇって」
「てめぇ。このエセ美術部が」
「あれ? 幽霊に物理攻撃は効きませんよー?」

 数多のSSの中で勝手に腹黒属性つけられてそうなピンク髪の魔法少女みたくティヒヒと笑う元幽霊部員は、軽くキレた昴の腕をあっさりすり抜けてみせる。

「てめぇ。どこかの妖怪みてーなこと言いやがって」
「それは違うよ。あたしは妖怪ウ○ッチ世代じゃないですよー。グローバルにポ○モンですよー」
「んなこたぁどうでもいいんだよ!」
「それはジバ○ャンに失礼だと思うよ?」
「知るか!」

 ――などと、年齢は地肌(?)が真っ赤な地縛霊の猫のほうに近いながらも、誕生から近々成人式を迎えようとしている某黄色い電気ネズミに代表されるコンテンツを引き合いに出し、珠希はスカートを上手く翻しながら昴の腕を次々とすり抜けていく。

 ちなみに、このミニスカートの裾をパンチラギリギリのラインで操る高等技術は意外にも結月(いもうと)が普段は露出控えめの珠希(あね)に教えたものだ。それもレイヤーとしての知識かと思ったが、男子・男性の反応がいい加減ウザくなっていたのでこれはこれで助かっている。


「珠希さんって、アニメ見るんだ?」
「アニメ? ポケモ○も妖○ウォッチも観たことないよ」

 珠希の今の発言内容は「ポケ○ンも妖怪○ォッチも観たことがない」と言っているだけで「アニメを観ない」とは言っていないことに注意。むしろ珠希が録画してまで観賞しているアニメは早朝帯か深夜帯、もしくはTVCMすらしないOVAなのだからそこは触れない
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