第1章:ぼっちな姫は逆ハーレムの女王になる
ヒロイン像ってつまり妄想のかたまゲフンゲフン
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純真と母性で、それらを持っている女性を対象とするのがロリコンとマザコンなのだと、どこかロリコンとマザコンを肯定するような発言まで飛び出す始末。じゃあ裏とか闇のJKビジネスは何なのかと尋ねたら、「あれはフェチ方面に特化した風俗」とこれまた即答・断言された。
違法ユーザーやJK愛好者もまさか声豚――でもイケメン――に批判されたくはないだろう。
要は一人の女性としてではなく、着衣――この場合、女子学生の制服――の価値がうんぬんかんぬんということらしいが、正直、引いた。ドン引きという表現が生温いレベルで。
相談相手を間違えたと思いつつも、質問の内容が内容なだけに兄に尋ねるしかなかったのだが、そこから思考を広げていくとあら不思議、なぜ紙芝居ergに学園モノが多いのか納得できる理由になってしまった。
もうこの日以降、珠希とは無縁のものになってしまった異性へのトキメキとやらだが、実は最近になって結月から借りたBL漫画の攻め役が誘い受け役の主人公に不意討ちされて普段見せない表情を見せた瞬間を描いた一コマにそれを感じたりしている。
大方の予想の範疇とはいえ、もはやツッコミは無駄である。
しかもハァハァ(AAryしたのは事実で、もちろんその攻め役とやらは紙の上にしか存在しないのだから、これでもあたしは腐ってないと言い張るこのガチオタの魂を真っ先にお祓いし、この世から一切合切未練なく成仏させるべきだった。
「……ねえ、何やってんだろあのコ」
「ああ、竜門さん? あの娘ワケわかんないし」
「てかなんかさ、近づきづらくない?」
「ああそれわかる。やけに距離置いてるっていうか」
「ちょ、おい見てみろよそこ」
「うぉ、マジであんなのリアルで初めて見た」
「信じらんね。ああなるもんなのか?」
「ちょっとお前ら黙ってろ」
優雅さや気品とは程遠い姿勢でアンニュイに浸る珠希だったが、こんなときですら周囲は珠希に一人放置プレイをさせてくれなかった。
未だ教室に残っていた女子は誰も珠希の心境など理解してくれず――仮に最上級生に喧嘩を売って勝った話を理解してくれと言ったところで、彼女たちは困惑する他ないのだが――男子も男子で、机に挟まれてもにゅっと変形している珠希の胸を視姦している真っ最中である。
そもそも珠希は距離を取ろうとして距離を取っているのではない。初対面の人と友達になるための適切な方法というものをこの歳になってもろくに知らないだけだ。それが甚だしい問題なのだが、幼い頃から何をしなくても周囲のほうから近寄ってきてくれたのだから仕方ない。悪意のあるなしは関係なく。
どこかの漫画の誰かは「友達はなろうと思ってなるものじゃない」と言っていたようだが、距離を縮めようと最初から過剰なま
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