償い
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る。キリトはそれを少女に教えた。
「ほ、ほんとですか!?」
キリトの言葉が終わらないうちに少女は勢いよく腰を上げた。さっきまでの顔とは違い、希望を見つけた顔だ。しかし、その顔をした後すぐに顔を下に向ける。
「四十七層……」
その言葉を聞いて、理解した。彼女はレベル的に無理なのだろう。言い方が悪いかもしれないが今の彼女が行ったって、死ぬだけだ。それがかわいそうだから何か言い案がないか考える。
「「うーん」」
どうやらキリトも考えてるらしい。その後、キリトが頭を掻きながら言った。
「実費と、報酬をぽっちり貰えれば俺たちが行ってきてもいいんだけどないいんだけどなあ。使い魔を亡くしたビーストテイマー本人が行かないと、肝心な花が咲かないらしいんだよな……」
「そうなんだよなー。俺が行ったときは、何も咲かなかったからな」
攻略に参加していないときのことを思い出す。あの時は、何もなくてガッカリ感がハンパなかった。そう言うと、少女は微笑み、言った。
「いえ……。情報だけでも、とってもありがたいです。頑張ってレベル上げをすれば、いつかは……」
「それがそうもいかないんだ。使い魔を蘇生できるのは、死んでから三日だけらしい。それを過ぎると、アイテム名の《心》が《形見》に変化して……」
「そんな……!」
また、少女はキリトの話を最後まで聞かずに叫んだ。そして羽を胸の前に持ってきて、泣きそうな雰囲気になる。ゲツガはどうにか励まそうとするが、その前にキリトが少女に向かって何かを送っていた。それに気付いた少女はトレード欄を見てどこか戸惑ったように聞いてきた。
「あの……」
「この装備で5、6レベルぶん程度底上げできる。俺たちも一緒に行けば、多分なんとかなるだろう。なっ」
ゲツガの方に目を向けてくる。どうやら、行かせるのは決定事項らしい。それを聞いたゲツガは短く答えた。
「ああ」
「えっ……」
それを聞いた少女は警戒してるのか聞いてきた。
「なんで……そこまでしてくれるんですか……?」
まあ、当たり前の反応だろう。こういう、話には裏があるのが常識なのだから。キリトは返答に困ったのか頭を掻きながら話すべきことを考えている。そして小声で呟いた。
「マンガじゃあるまいしなぁ。……笑わないって約束するなら、言う。ゲツガ、お前もだぞ」
俺にも念を押すように聞いてくる。こくりと頷き、少女も笑いませんと言った後、一呼吸置いて言った。
「君が、……妹に、似てるから」
あまりにもベタなことを言うと、今まで暗い顔だった少女から笑いを堪えた声が聞こえる。
「わ、笑わないって言ったのに……」
キリトは笑われて傷ついたようだ。うなだれ
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