第一幕その八
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「鳥は案外高く飛べないのよ」
「そういえば雲の高さまではね」
「鳥は見えないね」
二匹も言われて気付きました。
「そこまで高くなると」
「どうもね」
「昆虫はいるらしいよ」
神宝が二匹に答えました。
「その高さでもね」
「あっ、虫はなんだ」
「飛んでいるんだ」
「そうみたいだよ、本で読んだけれど」
「ううん、虫って凄いね」
「鳥でも飛べないところまで飛んでるとかね」
「そうだよね」
二匹は神宝のその言葉に唸りました、そして。
あらためてです、また言うのでした。
「じゃあ虫の羽根を生やす?」
「蜂とかのね」
「それだとね」
「ポリクロームのところまで行けるかな」
「どうかしら、昆虫の羽根ならいけるかしら」
ドロシーは神宝達のやり取りを聞いて自分の顎に手を当てて考えるお顔になっていました、そのうえでなのでした。
また腕を組んで、です。お空を見上げました。するとかなり高いです。
その高いお空を見てでした、また言いました。
「どうかしらね」
「オズの国に飛行機は」
「皆の国みたいなのはないわよ」
ドロシーはこうカルロスに答えました。
「あるけれど、ヘリも」
「そうですか」
「あくまでオズの国を行き来するもので」
「あっ、そうなんですか」
「そう、あまり距離を飛ぶものじゃなくてね」
「高さも」96
「そんな高い距離を飛ぶことは」
そうしたことはというのです。
「無理よ」
「そうなんですね」
「ヘリコプターもあるけれど」
オズの国にはこちらもあるというのです。
「そこまでの高さはね、そもそも姿も」
「僕達の世界のものとは」
「違うから」
そうだというのです。
「だってオズの国はお伽の国だから」
「それで、ですね」
「ええ、違うから」
「ううん、そうなんですね」
「だから私も最初からお話に出さなかったの」
飛行機やヘリコプターをというのです。
「そうしたの」
「そうだったんですか」
「オズの国の飛行機やヘリはですか」
「そんなにですか」
「高く飛べない」
「そうなんですね」
「そうなの、あまり遠くまで飛ぶ必要もないし」
ドロシーは五人にこうもお話しました。
「オズの国の中を行き来出来ればいいから」
「あっ、オズの国を出てですね」
「遠くに行く必要もありませんね」
「オズの国のあるこの大陸だけで充分で」
「死の砂漠を越える必要もないですから」
「だからですね」
「そうよ、オークという鳥がいる島まで行って帰られる位なら」
オズの国の近くの島に住んでいるとても速いスピードでお空を飛ぶ鳥です。
「いいから」
「オズの国の飛行機やヘリは」
「遠くまで飛ぶ必要がない」
「そして高く飛ぶ必要もない」
「そういう事情で」
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