第78話 コンテニューは計画的に
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まで感じていた重みを全く感じない。
何故? 一体何がどうしたと言うんだ?
疑問に戸惑う岡田を前にして銀時が白夜を肩に担ぎながら目の前に立つ。
「悪党ってなぁ皆学習をしねぇんだな。気づかねぇのか?」
「なんだと……!!!」
銀時に言われてようやく理解した。無いのだ。岡田の手にあった筈の紅桜の刀身が丸々なくなっていたのだ。どうやら先の攻撃の際に銀時は紅桜の刀身目がけて白夜を切り上げたのだ。
これにより紅桜は刀身ごと丸々岡田の手元を離れて遠く離れた地面へと突き刺さった。
完全に丸腰となってしまった岡田を前にして銀時が見下ろす。
その表情はとても鋭く、そしてどこか恐ろしくもあった。幸いな事と言えば岡田がその表情を見る事が出来なかった事位であろう。
突然、空を切る音が響いた。かと思ったら岡田の側頭部に激痛が走った。銀時が白夜を叩きつけたのだ。だが、それは刃ではなく背の部分でであった。
「三下の癖に一丁前な真似するからこうなるんだよ。これに懲りたらもう二度と人斬りなんてしねぇこったな」
締めの一撃を見舞い、最期に一言言葉を添える。が、その言葉に相手は言葉を返す事はない。側頭部への一撃、如何に鍛え上げた人間であろうと其処へ強い一撃を食らえば意識を失うか最悪後遺症が残る危険性すらある。が、銀時にそんな配慮などする気はなかった。いっその事このまま一生目覚めないで欲しいとさえ思えてしまった。それでも白夜の刃ではなく背で殴って気絶させたのは何故であろうか?
考えても答えがでない以上考えるだけ時間の無駄でしかない。そう判断し、銀時は考えるのを止め、吹き飛ばした岡田に再度視線を向けた。
吹き飛ばされた岡田は大の字になり微動だにしていない。それを見て銀時は安心し、白夜を鞘に納めようとする。
しかし、白夜の刀身を半分まで納めた所で、ピタリと銀時の手は止まった。
≪まだだ。まだ終わっていない!≫
銀時の本能がそう囁く。戦いはまだ終わっていない。
どう言う事だ?
本能に従うがまま、銀時は再度倒れた岡田を見た。岡田はその場からピクリとも動いていない。
では、一体何が―――
疑問に思い、銀時が折れた紅桜を見た途端、銀時は自身の目に映った光景を疑った。
心臓が凍り付く錯覚を覚えた。それほどまでに衝撃的な光景であったからだ。
紅桜が一人でに震えているのだ。地面に突き刺さり、刀身だけになった筈の紅桜が一人でに震えだし、その刃を地面から抜き放った。
ゆらゆらと宙を漂う折れた紅桜を見て、銀時は戦慄を覚えた。
前に破壊した紅桜は折った時点ですべて機能を停止していた。
だが、これだけは違う。
この紅桜だけは折っても機能停止にはならなかったようだ。
再度、白夜を抜き放ち、臨戦態勢を執る。
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