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 ところ変わって、五十層《アルケード》のとあるレストラン。そのレストランは歓喜に包まれていた。

「五十層突破とゲツガの前線復帰を祝して……カンパーイ!!」

「「「「カンパーイ!!!」」」」

 クラインの合図とともに、酒のようなものが溢れんばかりに入れられたグラスをキンッ、とぶつける。

 今回は、ゲツガの復帰と五十層の突破を記念して開かれている。

「ゲツガーーー!!俺は……俺はお前が前線に戻ってくるのをずっと待ってたんだぞー!!」

「気持ちわりーこと言ってんじゃねーぞ、クライン!!つーか酒臭ーし、耳元で叫ぶな!!」

「フゴッ!!」

 クラインが肩を組み、耳元で叫んでくる。それを叫んで殴り飛ばして離れさせる。

「しかし、ホント今回はお前が来た時はびっくりしたぞ。相変わらず壁を跳ねながら来るしよ」

 そう言って離してくるのはキリトだ。ついでに今回参加しているのは、キリト、ゲツガ、エギル、ギルド《風林火山》に聖竜連合のゲツガが助けた事のある数人である。

「仕方ねえだろ。筋力値にほとんど振ってんだから、移動はこうでもしないと遅いんだよ。それによ、今回は姫騎士助けんのにも、この筋力値極振りのお陰だろ?」

 そう言って膝に足を乗っけて軽く叩く。それを見るとキリトは苦笑いをして、グラスに口を付ける。それに続きゲツガもグラスを一気に空にする。

「ぷはー!!やっぱ、うまいな!!」

 飲んだ感想を言って、NPCにまた新しいのを追加する。そして今度はエギルが近づいてくるのに気付いた。

「おー、エギルー。久しぶりだなぁ」

「久しぶりだな、ゲツガ。お前にはいなくなった理由とか色々聞きたいことがあるが、とりあえず今日は無しにするぜ。よくやったな、お前のお陰で一人の命が救われた」

「俺は人が死ぬのを目の前では見てられないたちでね」

 そう言って新しく来た酒をまた飲み始める。するとクラインがまた来て、肩を組んでくる。

「うぉおおおお!!ゲツガ!!やっぱお前はいい奴だなぁ!!お前のような奴がダチがいて本当に誇りに思うぞ!!」

「しつけーんだよ!!耳元で叫ぶな!!鬱陶しい!!」

 クラインの顔面に拳を叩き込もうとする。しかし

「そうはいくか!!」

 クラインはその拳を掴んで止めた。とはいかず、掴んだ手ごと顔面に食い込む。

「ブホッ!!」

 そのままぶっ飛んで壁にぶつかる。その光景をみて、爆笑するものや苦笑いをするものもいたり、色々な反応があった。今回は皆、誰もが酒を飲みまくり、ゲツガの復帰と五十層突破を喜んだ。
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