言葉
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はやるか、やらないかに絞られる。やるしかなければ、やるだけ……後はタイミングの問題だ。ここで待った所で次の機会がやってくる保証も、今より良い状況になる保証もない。そんなのは誰もわからないし、わかりようも無い。だからこそ、やると決めたのだ」
「教主殿……………………はぁ〜……。そうだったな……我が目標とした教主殿は、始めからこういう男だった。これ以上は言っても聞かぬだろうし……こうなったら我は本来のスペックを上回る力を何としても引き出し、教主殿に負担をかけずに“彼女”の暴走を鎮めて見せる! 我は王だ、限界を自ら線引きするなぞ愚行の極み! 王なら王らしく、全てを欲してやるぞ!!」
凛ッ! と言わんばかりに胸を張るディアーチェ。外見のコピー元がはやてだから少々残念な部分はあるが、その威厳は王らしい頼もしさに満ちていた。なるほど……これなら安心して背中を任せられそうだ。
「そうですか……教主殿と王がやると決めたのなら、私からは何もありません。王と同様に私も気がかりが当然ありますが、そういう話は既にお二人の間で済んでいる事でしょう。それなら方向を変えて、ポジティブに考えましょう」
「うんうん、シュテるんの言う通り! ボク達が力を合わせれば、何だってできるもん! でしょ、王様?」
「うぬら……ッ! 全く、どうなっても知らぬからな!」
どうやら話を聞いていた二人の顔を見て、ディアーチェは頭に手を当てる。軽くため息をついた彼女だが、その様子からは悲観ではなく喜色が感じられた。なにせ成功すれば、ようやく柴天一家が全員が揃うのだから。これから危ない橋を渡る身としては後ろ向きな意見より、レヴィみたいに前向きな意見を出してくれる方が励みになる。
「終わったらカレーでも作ってやるか」
「カレー!? やったぁ!」
「教主って、何気にレヴィには甘いですね。どうせなら私も甘えさせてもらいたいです」
「いやいや、十分甘えさせてもらっておると思うぞ……」
……さて、これから俺達は精神世界に向かう訳だが、流石にマキナとシャロン、及びウェアウルフ社の人間が介入する事は出来ない。二人には悪いが、少しだけ離れる時間をもらうぞ……。
「マキナ、シャロン。俺達に用事が出来たから、その間部屋で待っててくれ」
『用事?』
「さっき話した、もう一人を迎えに行くだけだ。多分、あまり時間はかからないだろうから、適当に参考書でも自習していればすぐに終わる」
「……本当に?」
「……ああ」
「そう……わかった。マキナ、部屋に戻ろう? ここにいたらサバタさん達の用事の邪魔になる」
『……そうみたいだね。サバタ様、用事を済ませたら早く帰って来てよ? 私達、待ってるから』
そう言い残して二人は俺達が住んでいる部屋
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