暁 〜小説投稿サイト〜
リリなのinボクらの太陽サーガ
言葉
[8/13]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
……今後のマキナ達の身分保障もある……仕方ないか」

『お前の意思が最期まで変わらなければ、彼女達の身分は永久に保障しよう。それより言語の習得なら、俺も力を貸してやる』

「何?」

『母国語や言語の喪失などには、少々嫌な記憶があってな。詳しい事は後で直接教えてやろう。それと理由はもう一つある。どんな形であろうと、支配からの解放は望む所だ。この件は我々にとって本番に向けた前哨戦であり、同時に別の決起の始まりでもある。確実に成功させるためなら、手間も手段も何一つ惜しまん』

「……確かにこの際、外聞を装っている場合ではないか。社長から教わるという経験は滅多に出来ないが、彼女達を生き残らせるため、未来を取り戻すためならプライドにこだわる必要はないな。リキッド、頼む……」

『ふん……肉体は老いたが、教官の真似事なら容易い事だ。今の要件が終わり次第そちらへ向かうが、教える時に泣き言をいわない事を俺が来る前に徹底しておけ』

「社長は鬼教官か? まあいい、ここにいるのはホネのある奴ばかりだ。余計な心配は無用だろう」

『いいだろう、せいぜい覚悟するのだな』

通信切断。そういう訳で教師役が俺以外にもう一人、それも社長である彼が来る事になった。なお、彼に希望すればサバイバルやCQCの訓練も並行して行えるから、そこらの自衛隊や陸軍、兵士育成学校顔負けの指導が受けられるものの……今は語学に専念させておくべきだろう。時間も限られているし、言語を覚えるのはかなり大変だからな。

なんて事を考えていると、何かに気付いたディアーチェがちょいちょいと手招きして、俺に尋ねてきた。

「ところで教主殿、一つ疑問があるのだが……現在の我々が顕現していられる時間は大丈夫なのか?」

「ん? あぁ……そういえば、おまえ達が保有する月の力にも限りがあったな。特にレヴィはつい先日まで表に出ていたから、残りの顕現時間がシュテルとディアーチェより少ない。連絡直後とはいえ、いつラタトスクが動くかわからない以上、あまり月の力を消費するのは得策ではないから普段は精神世界で言語を教えればいいかもしれない。しかしリキッドが来るとなれば、マテリアルが姿を見せていないのはマズいかもな……」

「では交代制にしておくか? 一日ごとに我、シュテル、レヴィが交代で外に出るようにしておけば、上手く顕現時間を補充しながらローテーションを回せると思うのだが……どうであろう?」

「確かにそれも一つの手だ。しかし……エレンは体調を整えるように言ってきたが、もう俺の身体は時間を経るごとに、限界まで刻一刻と近づいている。恐らく近い内に、余波が現れてしまう可能性が高い。そうなれば発作などで、月の力も上手く補充出来なくなるかもしれないし、まともに動けなくなってしまったりするだろう」

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ