言葉
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たらこの好意もいつか恋愛感情に心変わりするかもね』
「おいおい、あまりからかわないでくれ……」
『ふふ、ちょっとした冗談よ。それで本題の方だけど、激戦の末、ラジエルの主砲でファーヴニル体内にある魔力コアを破壊し、ファーヴニルの弱体化に成功。その際ラタトスクがどうやってファーヴニルを操っていたのか、そのトリックが判明したわ』
「トリック?」
『ファーヴニルの身体から生えているレアメタルの角、あれはファーヴニルの脳神経と直接繋がっていた感覚器官だったのよ。一言で言えば触角ね』
「あれが触角……!? おいおい、ファーヴニルは虫だったのか?」
『別に触角を持ってるのは虫に限らないし、ファーヴニルは虫じゃなくて絶対存在だけどね。戯れはともかく、そんな機能を持っていたこの器官から周囲のエネルギーなりを知覚、識別していた訳だけど……人形使いラタトスクにとってはこれこそが最も重要な所だった。そもそもラタトスクは、最初からファーヴニルを完全に操っていたわけではなかったのよ』
「最初から……操っていなかっただと?」
『ラタトスクは最初から……ニダヴェリールで計画を進めていた頃から私達に……そしてファーヴニル自身に幻影を見せていた。以前、ラタトスクは月下美人を介してヴァナルガンドを操ろうとした……しかし今回は月下美人が彼の手元にいない。なのに同じ絶対存在であるはずのファーヴニルは操れているのはどうしてか、これがずっと疑問だったわ。最初は何か強力な装置でも使って、無理やり操っているのかと思ってたけど……今になって思えば全然的外れだった』
「だろうな。ラタトスクは人間の力を見下し、自分の人形使いとしての力に高いプライドを持っている。だからファーヴニルを操るために最も大事な所を、人間が作るような装置に頼る訳が無い。だがそうだとしても……ヴァナルガンドの時、奴は自分の力では絶対存在を操る事はできないと自ら言っていた。ではどうやってファーヴニルを操っていたんだ?」
『そう急かさないで。……ラタトスクはヴァナルガンドの力を意のままにしようとして、最終的に失敗した。それはサバタ達の抵抗もあったからだけど、そもそも支配欲をこじらせてヴァナルガンドの全てを手にしようとしたから、致命的に詰めを誤ったと私は推測したわ。では今回の場合はどうなのか。答えは意外と単純で、あのイモータルがやったのは催眠でも洗脳でもない、単なる思考誘導だったのよ』
「思考誘導?」
『絶対存在は世界を滅ぼす程の強大な力を持っているけど、あくまで存在が持つ本能でしか考えない。つまり……目の前にエサをぶら下げてやれば、簡単に喰い付こうとする獣なの。要するにラタトスクはファーヴニルが欲する魔力、エナジーなどのエネルギーが一ヵ所にあたかも充満しているように触角を介し
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