本当の家族
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いる。マカロフはそれを重々承知の上でイワンは放置していた。
天狼組が不在の7年の間にその情報、メンバーへの危害がなかったことが大きな要因とマカロフは言っていたが、ラクサスにはそれは違う風に感じられていた。
「たぶん・・・じじぃは心のどこかで、あんたのことを信じていたんだろうな・・・親子だから」
「っ!!」
ラクサスのその言葉を聞くとあまりの苛立ちに力が入ったのか、イワンの歯軋りさせていた歯が軽く砕ける。
「黙れぇ!!」
イワンは自らの魔法である紙人形を大量に放出し、ラクサスに襲いかかる。
「くっ!!」
ラクサスは腕でガードしようとするがイワンの繰り出した大量の紙人形を全てガードすることはできずに攻撃を受けてしまう。
「俺はこの日のために、日陰で暮らしてきたんだよ!!全てはルーメン・イストワールを手に入れるため!!」
「ちっ!!」
ラクサスはイワンに自分の説得が届かなかったことに舌打ちする。
「7年間危害を加えなかっただぁ?当たり前だろ!!残ったカス共が“アレ”の情報を持ってるはずがねぇからな!!
ギルドの中も!!マグノリアも!!天狼島も!!ギルドゆかりの場所は全部探した!!それでも見つからねぇ!!」
イワンは自らの欲するものが見つけられない苛立ちを表現するかのように、ラクサスに紙人形を次々とぶつけていく。
「ルーメン・イストワールはどこだ!?どこにある!?言えラクサス!!俺の息子だろうが!!」
イワンの放った紙人形たちはラクサスの頭上で巨大な球体を作り出す。その球体からラクサスに向かって闇の波動が放出される。
その攻撃を受ける時、ラクサスの頭の中に2人の人物のある言葉が思い浮かんでいた。
『例え家族のためであっても、仲間の命を脅かす者は同じギルドにおいてはおけん。先代もそうやってこのギルドを守ってきた。それが妖精の尻尾じゃ』
『ギルドこそが俺たちの家族だ。俺たちの帰る場所だ』
マカロフとナツ、2人のギルドに対する想い。ラクサスはそれを思い出しながらイワンの攻撃を受ける。
「ふっ・・・!?」
イワンは攻撃を食らったラクサスの方を見て一瞬笑みを浮かべたが、爆風が晴れたところを見て驚愕の表情へと変わる。
闇の波動をまともに食らったはずのラクサスがほとんどキズを負うこともなく立っていたのである。
「ほう。道理で大人しく立ってると思ったら、俺の魔力を確かめたってことかよ」
イワンはそう言う。ラクサスは避けようと思えばイワンの攻撃を避けることなど容易いはずだった。しかし、あえて相手の力量を測るためにその魔法を受けたのであった。
「変わらねぇなそういうとこは。それともやっぱり、実の親は殴れねぇか?お優しいこったなぁラクサ
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