第1章:平穏にさよなら
第4話「転機」
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止めなければ、取り返しがつかない事になる。...そんな予感がする...。
「ジャマスルノ?ナラ、イクラオニイチャンデモヨウシャシナイ!」
そう言って緋雪は僕の方へ飛びかかってきた。
「っ、シュライン・メイデン!」
〈分かってます!〉
咄嗟に聖奈さんが前に出て、水色の宝玉が中心に埋め込まれた白い十字架を掲げる。
すると、澄んだ女性の声が聞こえ、白色の魔法陣に緋雪が阻まれる。
「ッ....!ジャマ!」
「くっ...なんて力...!」
緋雪はその魔法陣を邪魔だと思い殴るが、聖奈さんは必死にそれを保つ事で防ぎ続ける。
「下がって!志導君!」
「......。」
聖奈さんの言葉に耳を傾けずに、僕は緋雪の動きを視る。
志導緋雪 Level4
状態:狂気▼、暴走▼、吸血鬼化▼
...ステータスの一部が表示される。だけど、今は少し目を通すだけで無視する。
今は緋雪の攻撃の速度・威力・癖を見切る...!
「イイカゲン...コワレロ!」
「(っ、ここだ!)」
動きを見切り、咄嗟に緋雪の前に出る。
「えっ!?」
「せいっ!」
振り抜かれる腕を受け流すように掴み、思いっきりその勢い事背負い投げで叩き付ける。
「アグッ!?」
合気道の要領で叩き付けたから、結構なダメージが入ったはずだ。
「緋雪!しっかりしろ!お前は、こんな事はしないはずだ!」
「ナ、ナニヲ....!」
力を入れにくいように腕を押さえつけ、そう訴える。
「頼むから...正気に戻ってくれ...!」
今まで見たこともない緋雪の豹変ぶりに、僕は涙を流しながら必死に懇願した。
「オニイ...チャン....?」
その言葉が通じたのか、緋雪のハイライトのなかった赤い瞳に段々と光が灯る。
「ア...ワ...私....。」
「....!良かった....!」
「...お兄ちゃん....?」
赤くなった瞳と生えた羽はそのままだけど、正気に戻った事に僕は安堵する。
「あ...私....。」
今までやってた事を思いだしたのか、瞳が揺れ、怯えの色を見せる。
「....大丈夫。もう終わったから...。」
「お兄ちゃん....。」
それを抱きしめる事で安心させる。
「...まったく、ヒヤヒヤしたよ。まさか、いきなり前に出るなんて...。」
「あはは.
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