第1章:平穏にさよなら
第4話「転機」
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=緋雪side=
「じゃあ、お兄ちゃん、また放課後でね。」
「うん。午後もがんばりなよ。」
昼休みが終わるので、一時的にお兄ちゃんと別れる。そして、私は教室へと戻る。
「えっと次は...国語かぁ。」
得意でも不得意でもなく...感想に困る教科だ。...一応、前世の知識もあるからテストで高得点は余裕だけど。
―――ドドドドド!
「よかった!間に合った!」
廊下から慌ただしい足音が聞こえてき、切羽詰った様子で何人かの生徒が入ってくる。
「(あぁ、いつものか。)」
一人の男子生徒とそれを取り巻く女子生徒。
「(...転生者と、“原作”のキャラか...。)」
男子生徒...織崎神夜と取り巻きの女子生徒である聖祥九大美少女の内の7人の集団は、この学校で有名だ。美少女が一人の男子生徒を囲っているのもあるが、もう一人の有名人...と言うか、問題児である銀髪の男子生徒...王牙帝がよく絡んでいる集団でもあるからというのもある。
...私にとってはどっちもいい迷惑だけどね。
洗脳などを無効化する特典を頼んだおかげか、洗脳などをされそうになった時、無効化するだけでなく洗脳しようとした事も分かるようになっていた。それで、織崎神夜が魅了系の特典を持っている事が分かった。...それも、本人が気づいていないタイプの。
そのせいで取り巻きの人たちは皆魅了されてしまっている。...中にもう一人女転生者がいるけど、その子も魅了されていた。
ちなみに王牙帝...所謂踏み台の方は、ニコポ・ナデポを頼んでいたようだけど、発動すらしていなかった。...どうでもいいか。
「(魅了...と言うか、妄信的になってる節があるのが嫌なのよね。)」
既に好きな人がいる人には効かないみたいだけど、ほとんど見境ないのが嫌だ。第一、どこか本能的に織崎神夜が嫌だ。...なんていうか、行き過ぎた勧善懲悪?思い込みの激しい偽善者?そんな感じの類がなぜか感じ取れた。
「(...そう言えば、聖奈さんは効いてなかったっけ?)」
お兄ちゃんのクラスメイトである聖奈司さんも、偶にあの集団に関わったりするけど、決して魅了されていなかった。それに、どこか他の人が魅了されている事に気付いている節があった。
「...まぁ、いっか。」
別に私は無闇に介入したくない。それに、今はお兄ちゃんと二人で生きて行くのだけでも精一杯だ。
「何がいいの?」
「えっ?」
突然、話しかけられる。振り向けば、隣の席である月村すずかが座っていた。
「あー、別になんでもないよ。月村さん
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