月下に咲く薔薇 2.
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肩すかしを食らった出撃の後、クロウは軽くシャワーを浴び食堂へと移動する。そこには既にZEUTHのMSパイロットの他、ソレスタルビーイングのガンダムマイスター、コロニーからやって来たトロワとカトル、デュオ、葵達チームD、そして忍達獣戦機隊にゲッターチーム、グランナイツの姿もあった。
集まっている者達の内約半数は、国連平和維持理事会のエルガン代表によってZEXISなる組織名を与えられる前からトレミーに搭乗し、クロウと行動を共にしている。気心の知れた仲という表現をあてがうのは些か気恥ずかしいものの、幾度もの出撃を通し喜怒哀楽は共にしてきた。
ソレスタルビーイングは言うに及ばず、チームDが操るダンクーガノヴァ、コロニー製と思しきガンダム、更にはゲッターチームが駆るゲッターロボ。三大国家の軍関係者が揃って顔をしかめる曰く付きの名の多くが、人間も機体も今はトレミーの腹の中に大人しく収まっている。
クロウにしろ竜馬達にしろ、危うい世界に生きる人々にとっての敵に堕ちるつもりは毛頭ない。むしろ進んで脅威の排除を行っているのだが、残念な事にそれが面白くない者達もいる。
ZEXISは、異端者を多く内包している部隊だ。勿論、当人達にも自覚はある。
何しろ、宇宙空間にコロニーなる巨大建造物を浮かせそこで人々が生活をするようになった時代に、三大国家が白目を剥くような巨大ロボットをそれぞれが所有し、いずれの国家群にも所属せず独自の活動ルールを掲げ行動しているのだから。
取り込むか、叩くか。ZEXISを目障りに思う者達が考える事など、この二つに絞られると言っても過言ではない。
ところが、その微妙な時期に嫌な事が重なる。ソレスタルビーイングの持つ太陽炉の技術が外部に漏れた可能性が生じ、三大国家側の思考を左右する天秤が大きく片方に傾いてしまったのだ。
喉から手が出る程欲していたGNドライヴに関する技術を手中に収めてしまえば、取り込もうと画策する理由は格段に減る。力を持つ者達にとって、ZEXISなど最早危険思想に基づく武装集団としか映らなくなった。
だからこそ連中は、未だにZEXISとの共闘を選び取ろうとせずにいる。次元獣を放ち巨大要塞の進路を焼けた平地に変貌させるあのインペリウム帝国を最大の敵と唱う一方で。
三大国家の合意から生まれる連合軍。その一大組織が、今尚水面下で牽制を繰り返すブリタニア・ユニオン、人革連、A.E.U.の、対ZEXIS部隊である事は想像に難くなかった。
余りにもあからさまなZEXISと三大国家連合軍の距離感を、エルガン代表はどのように受け止めているのだろうか。表向き「国連軍」の看板を掲げ、自らの影響下となった三大国家産の多国籍軍についても。
過去に起きた情報の秘匿で、クロウ達はその連合軍の前身に待ち伏せをされ、連中が本気に
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