code2 依頼
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翌日、雄大は会社で突然上司に呼び出された
霊遥葵雄大の会社は『異能者』と『人間』を繋ぐ福祉社会を作るための会社である。
そのため誰も対処できない異能者絡みの件が多い。
国からは異能者と人間の『最後の希望』とも言われている。
自衛隊や警察なども出入りする。
異能者と言うものは働くことに関して不利なのである。
感情が高ぶり、『異能』を使い、台無しにしてしまう。
社会に適応できなかった異能者を保護、
そして、社会から大きく外れた異能者を排除。
もとい、異能者特別の刑務所に拘束。
そんな異能者のための国からも支持されている会社。
専務の男のデスクに来ると、なにやら深刻な顔をして座っていた。
「霊遥葵、少し頼まれてくれないか?」
「…はい、仕事…ですか?」
赤髪でオリーブ色の目…松寺颯希は雄大を鋭く一瞥して言った。
「いたってシンプルだ、『ゼロの世界』の事は知っているだろう」
言葉を聞いた瞬間、雄大の身体がびくっと大きく揺れる。
今この世界において最も問題となっている事。
突然空間に亀裂が入り、そこから狂った異能者が現れ、問答無用で襲ってくる。
また、異能者がその『世界』に入り、出た時には完全に『狂っている』
取り込まれ、我を取り戻した異能者も、襲われた人もみんな言うのだ。
『ゼロの世界』
「…デスクワークでも契約をとるのでもなく…今回は『調査』ですか?」
松寺は頭をかいて言った。
「…いや、そうじゃない。調査ではなく『殲滅』だ」
雄大は驚いたように言った。
「まさか、もう場所がわれてるんですか?」
「ん〜、なんと言うべきかね…」
「まぁ、そういうことだよ雄大くん」
幼い声が聞こえた。
振り返るとそこには茶髪、蒼眼の幼女がいた。
「俺じゃちょっと説明は難しいです、社長」
松寺が腕を組んだままその幼女に言う。
霊遥葵は深々と頭を下げる。
「そうだね、じゃあ説明させてもらおう」
社長と呼ばれた幼女は自称でもなんでもなく『正真正銘』の社長である。
咲木耶姫花は淡々と述べる。
「えっと、まずこの部署…というより、この街に異能者が多いのはわかるよな?」
「はぁ…ここは異能者への福祉が凄いですからね…」
「そういうこと、そこでこれを見てもらいたい」
社長が出したものは資料だった。
その資料は『ゼロの世界』の被害件数、被害場所を表していた。
雄大が資料に目を通しているのを確認しながら姫花は話を続ける。
「わかるか?世界各国で起こっていた、この『ゼロの世界』は自然災害でもなんでもないんだ」
雄大は気付き、社長に確認を問う。
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