暁 〜小説投稿サイト〜
ランス 〜another story〜
第3章 リーザス陥落
第50話 預かる命、解放の時まで
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、っと……はい。ユーリさんなら、大丈夫ですよ。心配はしてません。ランス様は?」
「ああ、眠ってもらったよ。……あんな戦闘があった夜に皆に酷使させる訳にはいかないだろう? シィルちゃんもその方が良いって思うし」
「え……? ぁ……」

 シィルは、何のことか判らなかったが、直ぐに察した。さっき、ランスが話していた事だから。

「やれやれ……、マリアが約束をした以上は、いつものオレの手じゃ難しそうだからな」

 そもそも、ランスとマリアが直接約束した以上、『自分が〜』みたいに言うのは、お門違いも良い所だろう。……他のメンバーについても同上だ。ユーリはそう言うと、ベッドで寝ているランスに手を翳した。
 その周囲には何やら光が集まっている。

「……ユーリさん、これは、幻覚魔法。ですか?」
「ん? ああ。そうだよ。ある程度の時間をかけて、更に夢の中であれば現実と錯覚するらしいんだ。短かったら、効果は乏しいからちょっと長めにかけないといけないからな」

 ユーリはそう言う。
 ハンティに教えてもらった事を思い返していた。短かったら、覚えておく事すら難しい。だけど、ある程度長ければ、覚えておけて……更にある一定を超えれば、錯覚をさせる事も可能なのだ。

「……それは、かなり高度な幻覚魔法です。ユーリさんは以前、魔法使いではないと言ってましたが……」
「あー……うん。まぁな、魔法使いじゃないのは正しい。それに、魔法使いは、あんな戦い方しないだろう?」
「あ、はい。それはそうなんですが……」

 一応自分の技能のことは隠しているユーリだったが、ここまで行くとちょっともう無理だろう。それに、シィルも大切な仲間なのだ。仲間であればもう問題はないだろう。

「ま、ここまで見せといてはぐらかすのは、ちょっと頂けないか」

 ユーリは、ランスに幻覚の魔法を使いつつ、続けた。

「これは、オレの技能の1つなんだ。……オレは魔法を実際に見て、解析して……。それだけである程度のレベルは体現する事が出来るんだ。そして、体現するだけじゃなく、攻撃魔法を解析出来たら、ある程度、身体に耐性もつく。カスタムでの戦いの時のあれは、そういった理由でなんだ。 後、これはオレ固有の技能だから、誰かに魔法を教えたりは出来ない。シィルちゃんは、オレに魔法を教わろうと思っていたんだろう?」
「え? あ、はい。確かにそうでした。納得出来ました。……でも、良いんですか? 私に教えても……」
「ん。シィルちゃんは仲間だからな。ここまで見せといて教えない、秘密だって言うのは流石に嫌だから。だけど、一応他言無用で頼むよ」
「あ、はい。判りました。信頼して下さってありがとうございます」

 シィルは頭を下げて礼を言った。

――……本当に素敵な人だ。……こん
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