第3章 リーザス陥落
第50話 預かる命、解放の時まで
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!」
マリアは、奥から白板じゃなく、黒板を出してきた。そこには何かを貼り付けていた。……どうやら、何かの設計図の様だ。
「私たち、カスタム軍には最終兵器があります! その名もチューリップ3号っ!! これがあれば鬼に金棒よ!」
「ま、話半分に聞いちゃって。じゃないと延々と講義を聞かされるから」
「ちょっと! 酷いじゃない志津香っ! これは本当にすごいんだから!」
志津香の突っ込みにマリアが過剰に反応した。そのやり取りもあってか、会場内での不穏な空気は更に和らいだ。数の差を聞いている以上、確かにリーザスの1万がこちらに向いているとはいえ、そこまで言って初めて約五分の数なのだから。
「……洗脳兵か。相手は、使徒だと言っていたな? ランス」
「ん? そんなんは、知らん。ただのトップレスの可愛いコちゃん。サファイアとイチャイチャしていただけだ」
「はぁ……はいはい。シィルちゃんは、どうだ? 覚えていないか?」
ランスに訊いたのが間違いだったとユーリは思い、シィルの方を向いた。シィルは、こくりと頷いた。
「はい。……魔人アイゼルの使徒、と言っていました。使徒の1人、とも言ってましたので、彼女以外にも……」
「だろうな」
魔人の名を聞いたユーリ。
表情が強ばっていたが、皆は誰でも同じだろうと別に気にしなかった。特にそばにいたかなみは、以前別の魔人と戦った経緯もあるからと、思ったようだ。だが、ユーリが考えていた事は別にある。
「(……ここまでくると、裏の裏がありそうだな。……本当にカオスだけ、なのか? アイツ等の狙いは。……ホーネットは、この1件を、どう思っているんだ? 確定しているだけで仲間が2人も離反している。……彼女は、知っているのか? 人間界に魔人いて、そして 加担していると言う事実を)」
その事だった。
だが、それはこの場で話さなくてもいい事だ。だから、話を変える。
「あの数だ。以前ランから説明を受けていたが、魔人なら、その使徒なら、納得せざるを得ないだろうな」
「はい……。魔人の力によるものだと思えば……確かに」
「まぁ、確かに敵は強大なのは、最初から判っていたわ! だからこそ、ここは最終兵器、チューリップ3号に大船に乗ったつもりで乗っかっちゃって!」
マリアは、相変わらず黒板を叩きながら宣言した。話半分に聞きつつも、ユーリは、期待はしていた。
「(あの時、ラギシスと戦っていた時のは、チューリップ2号、だったか? あれを進化させたとしたら相応の破壊力だろうからな)」
ユーリはそう思っていたのだ。ラギシス戦を知っている者なら、皆が知っているだろう威力。だが、如何せんマリアの熱が入れば、その威力に比例して言動が多くなるから、性能のお披露目は戦場でとな
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