第二話「男の決断」
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「う、撃てぇ!」
しかし、迎え撃っても奴らにとって俺は肉眼には捉えにくいスピードで移動し、背後や真横を狙い、斬り捨てていく。また、そのスピードについてこれずにお互いで同士討ちしてしまうことも。
そして、最後に残ったのは傷の女、ただ一人だ。
「そ、そんな……!?」
ここまで来てまさか、こんな展開になるとは彼女とて思いもしなかったろう。
そして、肉を絶つ音と共に血が噴き出て傷の女は即死した。
戦闘が終わった途端、緊張から解かれると、俺はとっさに方膝を落として激しく呼吸を荒げた。
「ハァ……ハァ……!」
「九条さん!?」
そんな疲れ切った俺の元へ弥生が駆け寄ってくれた。
「大丈夫ですか?」
「あ、ああ……多分……」
「……」
彼女は、そんな疲れ切った俺の顔を見上げた。
――どうして、RSが彼に反応したのかしら?
しかし、これで一安心できたかに思えたが……
「ったく! アマンダの第二捜索隊は全滅したってことかい? それにしてもRSっていう代物を使って返り討ちにするとは……やるじゃねーか、あのガキ……」
隊長のISは、地上の飛鳥を宥めて笑みを浮かべた。
「あれは……!?」
弥生が叫んだ。目の前に再び同じISの集団が飛来してきたのだ。
「まだ、追手が居たのか……!?」
だが、今は激しい疲労によって立っているだけでも精一杯だというのに……!
「ま、そのようすだとエネルギー切れってやつかい? アマンダがちょうどいいところで捨て駒になってくれたおかげで助かったよ?」
IS隊長は二人に銃を向ける。
「ちくしょう……!」
身を震わせて悔しがる俺に、隊長と思われるISは笑みを浮かべて宥めた。
「さぁ……仲良くあの世へお行き? 坊やたち!?」
だが、その瞬間だった。彼女たちの周囲に一瞬の風が巻き起こったのだ。
「そうはさせっか!」
見知らぬ男の声と共に、前の前のISらは一斉に血を噴出すと、糸の切れた人形のようにバタバタと倒れていった。
「ど、どうなってんだ……!?」
疲労の限界でこれ以上意識を保つことはできない。ただ、目の前に見えたのは長い太刀を担ぐ男の姿であった。
「……ッ!」
ついに疲労は限界に達し、俺は倒れた。
「九条さん!? 九条さん、しっかりして!?」
「弥生、そいつか? RSを起動したヤツは……」
と、男は彼女の元へ歩み寄った。弥生のことを知っているとなると、おそらく仲間だろう。そんな彼は、弥生の次に足元に横たわり意識を失った飛鳥を宥めた。
「そうですけど……どうしてここへ!?」
何故、この位置がわかったのか、弥生は男に問う。
「博士がRSに発信機を取り付けいたらしくてな? 一様追跡させてもらったのさ。それよりも、怖い思いをさせたな……何分、こちらもファントムタスクの連中から足止めを喰
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