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変革者
第六話
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それと同時に、もしほんとの殺しあいになれば相手の制約を破壊すればいいのだとも理解する

「そろそろ始めるぞ?構えろ」

構えろ、と言われても雄太はまだ自分の構えを持っていないのでてきとうに銃口を曇りの日に向けた

「Figntっ」

曇りの日の背後から真っ黄色の煙が大量に溢れ出てきた
その一つ一つからは、いかにもな匂が漂う

「煙って熱で溶けんのか!?」

半信半疑、せめてもの抵抗として煙に熱線を放つが、案の定大して効果は見られない

「ほらどうした?来ないのか?」

「え、えぇと・・・既にお手上げなんですが・・」

「む。流石にそれは戦闘の勘が無さ過ぎるぞ?」

そんなことを言われても、と言い返したかったが曇りの日の口調からしてなにかしら突破口があるのだろう
その事に気付き考え始めた雄太、だが

「棒立ちはやめておけ。せめて立ちまわりながら、だな」

声が脳内で理解できるとほぼ同時に煙が雄太を襲った
お世辞にも回避とは言い難い回転で何とか直撃は免れる
雄太の居た場所は黄色の煙の影響か、じゅわじゅわと音を立てて溶けていた

「げ・・・酸ですか・・」

「そう。酸性の強い煙だ。さぁ、次の攻撃行くぞ?」

雄太は走りだして、煙の直撃をかわしながら考えた
もちろん熱線を曇りの日に当てれば致命傷とまでは行かなくてもかなり痛手を与えてしまうだろう
しかし曇りの日は容赦がない
この違いから、両者の力の差は歴然。曇りの日はしっかりと自分の力をセーブしているのだろう

「くそっ・・!?足場がぼこぼこしてきやがった!」

「どうだ?打開策は出たか?」

余裕そう、いや実際に余裕な曇りの日は半ば笑い気味で次々と雄太の廻りの床を溶かしていく

「あ!・・・一か八かでやるかっ!」

雄太はポケットに入れてあった水風船ののこりに息を吹き込み、膨らませた

「・・・?」

曇りの日の動きが一瞬止まる
その瞬間を雄太は見逃さなかった

「そりゃっ!」

中身が空気だけとあって、全力で投げたにもかかわらず風船はゆったりと飛んでいく
曇りの日は何のためらいもなく、ふわふわ飛ぶ風船目掛けて煙を操る
しかし、それこそ雄太の狙いだった

「・・・イメージ!!」

「な!?そういうことか!」

慌てて煙をのけようとした曇りの日だったが、雄太の方がワンテンポ速い

銃口を風船に向けて、引き金を引く
頭の中で、風船の中の空気だけを熱するようイメージしながら
と・・・・
一瞬で加熱された空気は膨張し、風船を限界まで引き延ばし、そしてはじけ飛ぶ
その際に生まれた風圧が、曇りの日の煙を大きく吹き飛ばした
するとどうなるか
雄太から曇りの日までの間を遮る障害物は何もなく
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