Vivid編
第二話〜リハビリとこれからと〜
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んやわんやである。良かったと、喜んだと思えばいきなり説教を始めたり、逆に説教をしていたと思えば慈愛顔で再びライに抱きついたり。
更にライの目が覚めたと連絡を受けた元機動六課のメンバーが、どんどんライの病室に押し寄せてくるのだ。急激に増加の一途をたどる人口密度にライは辟易としていたが、再び皆と会えたことに胸の中は歓喜の気持ちで満ちていた。
しかし、物事には限度がある。具体的に言えば、医者や看護師がちょっと放送できないレベルの憤怒の表情を見せ、『管理局?高官?エリート?何それ、食えんの?ていうか、病院で医者より偉い奴がいると思っているの?』と言わんばかりにガチ説教をするくらいには騒がしくなり、事態の収集が着く頃には既に日を跨ぎそうな時間帯であった。
その日はそのまま解散し、未だにキレ気味の医者からJS事件直後と今の時点での身体の差異として筋力の低下などの説明を受け、そしてリハビリや自身の身の振り方を整えるまではこの入院生活を続けられる旨の言葉をライは頂戴したのであった。
そして、元機動六課のメンバーやライの顔見知りの人たちにそれぞれ個別に連絡を入れ、自分が目を覚ましたことやその為にリハビリを行うことなどを伝え、お見舞いは自重するように念押しした。
その為、今中庭で汗だくになっているのは、そのリハビリを行っていたのが原因で、決して医者から嫌がらせレベルのリハビリ内容を押し付けられたわけではない。
「しかし、貴方は我々にとって敬うべき人間ですので」
ライの傍にいるシャッハは、ライの呼称についての注文にそう答えた。
「…………」
JS事件でライと聖王としての姿のヴィヴィオは戦った。その際の戦闘映像は、あの事件で展開されていた戦闘域全体に流されていた。途中でライが中継していたクアットロとそれをコントロールしていたコンソールごと吹き飛ばした為、最後まで流されなかったとは言え、結果として聖王であったヴィヴィオが助かっていることから自然とライが彼女を打倒したことは確定情報として広まっていった。
その為、避難していた民間人はともかく、管理局の関係者や聖王協会の騎士たち、そして各組織の上層部でライはある意味で有名人になってしまっていたのである。
そして聖王協会において、ライは聖王を救出した騎士として認知されており、シャッハの口にしたとおり少なくない人々に敬われている。本人にとって不本意この上ないのはこの際深く考えない方が幸せだろう。
「はぁ……」
肉体的な疲れではなく、精神的な疲れから自然とため息が出てきた。
身体に篭っていた熱が引きはじめ、運動後の充実感より汗の気持ち悪さの方が気になり始めた頃、ライは立ち上がり、最後の仕上げをするためにシャッハの方に顔を向けた。
「じゃあ、シャッハさん。頼みます」
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