Vivid編
第二話〜リハビリとこれからと〜
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いる医者たちを大いに驚かせた。患者ではなく医者の方が動揺する中、担当医はライが三年半眠り続けていたことを簡単に説明し、今この場所がどういったところであるのかを手短に説明する。
「……三年半」
説明を聞いたライはポツリと呟く。その言葉を聞いていた担当医と控えていた看護師はライがショックを受けたと考え、錯乱した場合の為にあらかじめ用意していた鎮静剤の位置を視線だけで確認した。
(向こうの世界では三年半どころか…………………)
そんな医者の視線に気付くこともなく、ライは内心でCの世界とそれに通じていた世界で体感した時間を累計しようとして――――――――やめる。
(ちょっと、キリがないな)
実を言うと、ライが訪れた世界は時間軸が過去の並行世界だけではない。それこそ多種多様すぎる世界を幾つか巡っていたのだ。しかも、それはライが自発的に赴くのではなく、彼を必要とした世界が彼を引きずり込むようにしていった世界もある。
あげ始めれば彼が思った通りキリのない程の世界を巡ったライは、この世界でたった三年半しか経っていないことに違和感を覚えていた。その事にショックを受けたといえばそうなのだが、医者や看護師が懸念したようなものとはそれはまたベクトルの違うものであった。
その日は一旦お開きとなり、気持ちを落ち着かせるという意味でその日ライは大人しく睡眠を取った。
翌日。約三年半という長期間の昏睡状態を感じさせない程度には、身体的な問題がなかった為、長時間の検査に耐えることとなった。
問題は身体的なものではなく精神的なものだ。
日が昇ると同時に検査は始まり、ほぼ一日をかけてそれは行われた。検査が終わるとその気疲れから三年半お世話になったベッドで一眠りとしようとするが、それに待ったをかける人物たちが現れ始める。
そう人物“たち”が現れ“始めた”のだ。
昨日のヴィヴィオが訪れた時間と同じ頃に、彼女たちは訪れる。
患者に与えられるにしてはやけに寝心地の良いベッドでウトウトし始めていたライは、突然開かれた部屋の扉の音に跳ね起きた。
「ライ……くん?」
「ライ?」
(……あぁ、そう言えばヴィヴィオに僕が起きたのを伝えること、特に言及しなかったっけ?)
そこに立っていたのはなのはとフェイトの二人。呆然とした様子の二人はライをジッと見つめる。その服装は管理局の制服であり、『ああ、今日平日なんだ』とライに場違いな思考をさせる。
呆然としているライを見つめていた二人は、唐突に涙を流し始める。しかも全く表情が変わっていない為、ライはいきなりのことに目を見張るようにして驚く。
そして、二人の涙が顔から離れ、その雫が床を叩くと同時になのはとフェイトはライに飛びつくように抱きついた。
そこからはもうて
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